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世界遺産の宮廷劇場 スウェーデン【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

遺跡・建造物

世界遺産の宮廷劇場 スウェーデン【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

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世界遺産の宮廷劇場 スウェーデン【白洲信哉「旅と美」360°パノラマ】

 本年の6月、僕はスウェーデンの首都ストックホルム郊外、世界遺産ドロットニングホルム宮殿に併設された宮廷劇場において、金春流能楽師シテ方櫻間家21代右陣さんによる新作能「北斎」と「杜若」を観劇した。本企画は、スウェーデンとの国交150年を記念して開かれ、在日本大使館主催のスウェーデン国王カール十六世グスタフ殿下列席という両国の友好関係を象徴するような舞台となった。

 本劇場は、保存状態が優れ、奥行20メートルの舞台は、国内最大級の規模を誇り、400人の観客席は全て木製である。常設のフルオーケストラが備えられ、モーツァルトやハイドン、ヘンデルなどのオペレッタをはじめとした数多くの演劇が行われている現役の宮廷劇場なのである。

 とくに、音響が素晴らしく、劇場全体が大きな弦楽器のように、謡や鼓に笛の音が心地よく、奇しくも北斎と同年代である1766年にルヴィサ・ウルイカ女王により建設され、その子グスタフ三世の時代に全盛期を迎えた死者の魂に呼応するかのように鳴り響いたのであった。(文・パノラマ写真 白洲信哉氏)
(撮影機材:リコー THETA S )

白洲信哉(しらす・しんや) 白洲信哉(しらす・しんや)  文筆家。昭和40年生まれ、東京都出身。日本文化の普及に努め、展覧会など文化イベントの制作にも携わる。最新刊「旅する美」(発行・目の眼)発売中。 

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