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「原爆ドーム」内部【360°パノラマ】

遺跡・建造物

「原爆ドーム」内部【360°パノラマ】

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「原爆ドーム」内部【360°パノラマ】

鋼材で補強へ 耐震化、壁3カ所

 原爆投下から70年を迎える世界遺産・原爆ドーム(広島市中区)初の耐震化工事について、広島市の保存技術指導委員会は22日、外観にほぼ影響のない形で壁3カ所を鋼材で支えるとした市の補強案を了承。化学樹脂を注入するとした2カ所の補強案は再検討となった。鋼材での補強は今秋着工、年度内完成を目指す。

 ドーム耐震化は、南海トラフ巨大地震よりも影響の大きい芸予地震(震度6弱)を想定して検討。ドームの外観に配慮した最低限の補強として、同市は梁(はり)の支えのない壁など5カ所の工法を提案した。

 ドーム北西部分の半円形の壁面など3カ所については、これまでの補強工事で設置された鋼材を生かすなどして新たな鋼材で補強することが決定。西側中央付近の壁2カ所については、レンガとレンガの間に化学樹脂を注入する補強案が提案されたが、保存技術指導委員会で「新たな技術で改めて修繕することができない」などといった反対意見が出て、再検討となった。

 原爆ドームは大正4年、広島県物産陳列館として完成。3階建て一部5階建てのれんが造りの建物は、昭和20年に投下された原爆で骨組みだけを残して崩壊した。これまで42年度、平成元年度、14年度の3回、補強されてきたが、耐震化工事は今回が初めて。

 ◆「崩れるよりいい」「次を考えて」

 原爆ドーム初の耐震化工事には、被爆者団体などから評価する声があがる一方、被爆者からは「建物は朽ちるもの」として、無理な補強を求めないとの声も聞かれた。

 県原爆被害者団体協議会の大越和郎理事長代行は「多少見栄えは悪くなるかもしれないが、崩れるよりはいい」と歓迎。「世界遺産として残ることが第一。100年たっても残っているよう、最良な方法をとってほしい」と話した。

 一方、原爆投下時、勤務先の広島県産業奨励館(現原爆ドーム)に通勤する途中だった広島市東区の三原君江さん(89)は、「原爆の悲惨さを伝えるためにはドームが必要」としながらも、「建物はいずれ朽ちる。危険性が増すことや保存の負担を考えると、(補強の)次のことを考えるべきだと思います」と、耐震化工事に複雑な心境をにじませた。

 1996年に世界遺産に登録された「原爆ドーム」の内部を2005年、札幌市の写真家・高木義人氏が360度のパノラマ撮影を行っている。
 撮影日:2005年9月26日
 撮影協力:広島市、広島フィルム・コミッション
 撮影:有限会社 ノーザンライツ 高木義人氏

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