360°動画で楽しむ次世代の映像表現
更新 inf1605050001
VR元年と360度動画
2015年は360度動画時代の幕開けを刻むマイルストーンの年となった。Facebookは9月から正式に360度動画をサポートし、投稿やインタラクティブな視聴(ユーザーが動画コンテンツの中で360度望む方向に視点を変えられる)が可能となり(iOSとAndroidのモバイル機器のFacebookアプリ最新バージョン、Chrome、Firefoxなどの 最新版ウェブブラウザ使用)、そのタイミングに映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」の360度公式動画も公開された。
(写真家、360度VRコンテンツ・クリエイター 染瀬直人)
Facebookはヘッドマウントディスプレイを手がけるOculus VR社を2014年初頭におよそ20億ドルで買収しており、来るVR(バーチャル・リアリティ/仮想現実)時代への備えを見せていたが、ここに来ていよいよそれが具現化された形だ。
YouTubeはいち早く、昨年3月に360度動画コンテンツへ対応し、投稿すること、そしてGoogle Chrome、Firefox、Internet Explorer、Operaなどのウェブブラウザ、またAndroid、iPhone、iPad版YouTube アプリからのインタラクティブな視聴を実現。ブラウザ内の動画の画面をドラッグしたり、スマートフォンやタブレットの画面をスワイプすることにより、任意に360°の全方向に視点を向けることができる。
Google Cardboardやハコスコなど紙やプラスチックによる簡易的なVRゴーグルとスマホを組み合わせて顔面に装着すれば、スマホのジャイロセンサーの働きで顔の向きに合わせてコンテンツ内の視点もリアルタイムに連動、手軽に仮想空間を体験することが出来るようになるのだ。
動画配信サービスのNetflixやHuluでもVRアプリが公開され、サムスンのGear VR(PCやケーブルの不要なVRゴーグルで、スマホのGalaxyとアプリを使用して視聴する)向け短編オリジナル・コンテンツが続々とリリースされている。
ディズニー系のLittlestarもAppleTV向けの360度動画アプリが無料で提供されていて、そこではディズニーやナショナルジオグラフィックなどのコンテンツが楽しめる。

そして、ヘッドマウントディスプレイの本命であるOculus Rift製品版(3月発売)や、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(4月1日付けでソニー・コンピュータエンタテインメントから社名変更)のPlayStation VR(10月発売予定)が発売される今年 2016年は、いよいよVR元年と目されている。