メキシコ中部イダルゴ州で１８日起きたパイプラインの爆発で、捜査当局は２１日までに、ガソリンを違法に取っていた住民らの衣服で静電気が発生し、引火した可能性があるとの見方を示した。同州知事は２１日、死者は少なくとも９１人になったと地元メディアに明らかにした。犠牲者はさらに増える恐れがあるという。

　大勢が行方不明のままで、病院では５０人以上が治療を受けている。負傷者の一部は米南部テキサス州の病院に搬送された。

　報道によると、爆発が起きた町は人口約２万人。１８日朝から住民らが穴が開いたパイプラインから噴き出すガソリンをバケツやコップなどで取り始め、爆発が起きた同日夕方には８００人以上が付近にいた。

　捜査当局は記者会見で「合成繊維製の服を着ていた住民もおり、摩擦などで電気反応が起きた可能性がある」と指摘、ガソリン窃盗の危険性を強調した。目撃者の証言などを基に当時の状況を調べているが、これまでに拘束した住民らはいないとしている。（ロサンゼルス共同）