2016.2.29のニュース
きょう強制起訴 元東電会長ら3人、過失罪
dly1602290007 東京電力福島第1原発事故で、東電の勝俣恒久元会長(75)ら旧経営陣3人が大津波対策を怠ったとして、検察官役の指定弁護士は29日、検察審査会の議決に基づき、業務上過失致死傷罪で東京地裁に在宅のまま強制起訴する。
未曽有の事故から5年を前に、東電側への責任追及は新たな展開を迎える。ほかの2人はいずれも東電の原子力・立地本部長を務めた武黒一郎元副社長(69)と武藤栄元副社長(65)。3人は無罪を主張する見通し。
東京地検は3人を2度不起訴としたが、東京第5検察審査会は昨年7月、原発事業者は万が一に備えた注意義務を負うと指摘。「津波の高さが最大約15・7メートルになるとの試算結果の報告を受けていた」とし、事前の対策で事故を防げたと過失を認めた。その結果、福島県大熊町の双葉病院の入院患者44人を長時間の待機を伴う避難で死亡させるなどしたとしている。