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親はまず「聞く耳」を 子供のSOSにどう対処?

「子供に何が起きているのか耳を傾けてほしい」と話す「リベーラ」の遠山知子副所長=埼玉県川越市的場(日出間和貴撮影)
「子供に何が起きているのか耳を傾けてほしい」と話す「リベーラ」の遠山知子副所長=埼玉県川越市的場(日出間和貴撮影)

 長い夏休み明けは児童生徒にとって一年で最もストレスを感じるという。自殺も増える。新型コロナウイルス禍で家族が一緒にいる時間が長くなり、親子関係が悪化、一方で部活動の制限などで友人関係が希薄になっている。「学校へ行きたくない」。子供が発するSOSにどう対処すればいいのか。埼玉県川越市立教育センター第1分室(リベーラ)の遠山知子副所長(49)に聞いた。

--2学期の始まりを児童生徒はどう受け止めているのか

 「久しぶりに学校が始まる2学期の初日は、大人が思うよりも大きな不安やストレスを感じる子供がいる。コロナ禍の今、学校行事の縮小や中止などこれまで以上にコミュニケーションが取りにくくなっている。夏休みの課題の提出、テストや行事の準備を負担に感じている子供もいる」

--新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、友人関係が希薄になっている

 「リアルな場面で友達と時間を共有する場面が圧倒的に少ない。『場所への愛着』が持ちづらくなることも学校への不安を増幅させている。どこにも居場所がない、自分が自分でいられる感覚がないと学校へ行く気力を失ってしまう」

--子供の訴えに親や教師はどう応えるか

 「一番大切なことは、子供の訴えを聞くこと。『行きたくない』と言われると、大人は焦り、必死になって説得してしまう。最初のステップは、子供に何が起きているのか、慌てないで聞いてみる。原因探しではなく、今、何をどう感じているのか。『自分は一人ではない』という感覚を持ってもらう。また、教師は夏休み明けの教室に『全員来てくれたらいいな』という思いのもと、個に寄り添った支援をしてほしい」

--昨今の親子関係について気になることは

 「子供の悩みや親の相談を受けている中、物事を決められない親子が増えているように思う。子供の意思を尊重するあまり、保護者が親としての責任を果たしにくくなっている。例えば身近な人が身近なことを語る。親が失敗談を語ることが理解を深めるきっかけになることもある」

--子供の異変にどう気づけばいいか

 「親が無関心な態度を取れば、子供はSOSを出さない選択をしてしまう。大人の尺度で解決策を提示するのではなく、わが子に関心を持つこと。言動や表情、視線、顔色などをもっと観察してほしい」(日出間和貴)