入試 入試

【学ナビ】学食訪問・東京芸大「バター豆腐定食」 消滅危機の名物メニュー受け継ぐ

学生に交じり、バター豆腐定食を食べる沢和樹学長
学生に交じり、バター豆腐定食を食べる沢和樹学長

 美術や音楽などの分野で日本をリードする東京芸術大学の上野キャンパス(東京都台東区)。同キャンパスで今年2月、2つある学食のうちのひとつ「大浦食堂」が閉店し、長年の名物だった「豆腐のバター焼き丼」(通称・バタ丼)が“消滅の危機”にさらされた。

 だが、学生をはじめ、関係者からの存続を求める声に押され、新年度から同じ場所にオープンした「芸大食楽部(くらぶ)」に無事、継承された。

 長らく芸大生に親しまれてきたバタ丼は、熱した鍋にバターではなくマーガリンを入れ、切った豆腐を投入。しょうゆを加えた後にモヤシを入れて火を通し、ごはんにかけたもの。コクのある味と香りのよさにファンも多かった。

 国際的なバイオリニストとして知られる沢和樹学長(66)も、芸大生時代からバタ丼を愛してきた一人。閉店の日にはバイオリンを持参し、自ら作曲した「不滅のバタ丼」を北沢悦雄オーナーシェフの前で演奏するというセレモニーを開いたほど。

 新学食のオープンを機にバタ丼はマイナーチェンジした。というのも40年前までは「豆腐のバター焼き」として、ごはんと別々だったことを踏まえ、当時の形に戻して「バター豆腐定食」(みそ汁、小鉢付き550円=午後1時から販売)とした。さらに名称に合わせ、マーガリンでなくバターを使うことにした。コンビニ弁当などの普及に加えて、リモート授業による利用者減で心ならずも閉店した北沢さんも「引き継いでもらってよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべる。

 新型コロナウイルスの感染対策で現在、外部の人が学食を利用することはできないが、同大では「落ち着いたら、大学美術館とともにぜひ訪れてほしい」としている。