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茨城・守谷の全小中学校で「家守詩」 家族の絆感じる

公開された家守詩をつくる国語の授業=守谷市立けやき台中
公開された家守詩をつくる国語の授業=守谷市立けやき台中

 茨城県守谷市内の小中学校で、家族による言葉の“キャッチボール”「家守詩(やもりうた)」の取り組みが実施されている。昨年度から1つの中学校で始まったが、家族の絆を感じることができると好評で、今年度は同市の全公立小中学校に広がった。市教育委員会の担当者は「なかなか言葉にしづらい家族への感謝の気持ちを知るきっかけにしてほしい」と話している。

 家守詩は、生徒や児童が家族への気持ちを上の句(五・七・五)で詠み、それを受けて家族が下の句(七・七)で返す連歌のこと。全国的には親が下の句を作る「親守詩(おやもりうた)」が知られているが、市立けやき台中の越智寿雄校長が、範囲を両親だけでなく、家族にも広げて名付けた。

 昨年度、けやき台中で実施すると、生徒が詠んだ相手は父、母、両親、祖父、祖母、兄弟姉妹など多岐にわたった。それでも、母への思いを読んだ詩が7割を占めたという。

 昨年度は、「朝辛い 眠気に負ける エブリデイ」(生徒)「起こし続ける フォーエバー」(母親)、「私の家 こたつがないよ なぜだろう」(生徒)「家も心も 温かいから」(父親)、「寒い朝 心にしみる 母の味」(生徒)「空っぽの皿 眺めて嬉(うれ)しい」(母親)などの心温まる作品が作られた。

 これらを文化祭で体育館に掲示したところ、食い入るように見入る保護者も多かった。越智校長によると、中学生は思春期で多感な時期だが、家族への感謝を再認識したり、友人らの作品に共感したりする生徒もいるという。

 市教委では「こんな素晴らしい取り組みが、けやき台中だけというのはもったいない」と、今年から市内の全公立小中学校で実施することを決めた。

 公開された、けやき台中2年生の授業では、国語の教員が「あまり形式にはこだわらず自由に」「離れて暮らしている家族でも心はつながっている」などとアドバイスしながら、生徒の普段は言えない一言を引き出していた。越智校長は「いろいろ事情を抱えている家庭もあり強制はできないが、昨年度は約7割の生徒や保護者が家守詩を作ってくれた。言葉のキャッチボールを通じて、家族の絆を感じるきっかけになってほしい」と話している。

(篠崎理)