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コロナ禍の学力テスト、一斉休校の影響確認へ

全国学力テストに臨む児童ら=27日午前、千葉県内の小学校(代表撮影)
全国学力テストに臨む児童ら=27日午前、千葉県内の小学校(代表撮影)

 文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が27日、2年ぶりに実施された。新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言の対象地域が拡大される中、小中学校の9割が参加し、前回並みの規模が保たれた。昨年の一斉休校では授業を断念した学校も多かったため、8月に公表される結果分析では、異例の環境変化が学力に及ぼした影響が注目される。

 昨年3月に始まった一斉休校は、都市部を中心に最長で約3カ月間に及んだ。休校期間中の昨年6月下旬時点で、同時双方向のオンライン授業を導入できたのは、小学校が8%、中学校が10%にとどまった。ほとんどの学校では、学習プリント配布などによる自宅学習を余儀なくされた。

 自治体が独自に行った学力テストではすでに学力の低下が確認されている。埼玉県は昨年6、7月に小学4年~中学3年の約23万人を対象に学習状況調査を実施。慶応大の中室牧子教授の協力を得て結果を分析したところ、21段階に分けた学力値レベルが、小4と小5の算数で前年度に比べて2、3レベル程度低下していることが判明した。

 県教育委員会の担当者はコロナ禍の影響とは断定できないとしつつも、「自習の習慣がついている小6以上と比べると、対面授業ができなかったことが影響した可能性はある」と話す。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングによる昨年6月の調査では、小中高校生の1週間あたりの勉強時間は緊急事態宣言後に減少。特に成績下位層では、ほぼ半減しており、教育格差の拡大が危惧される。

 文科省は学力テストと同時に実施した質問調査に、一斉休校中の状況を確認する項目を追加。学力の経年変化を把握するため、3年に1度抽出方式で行っている別の学力調査も6月に予定している。同省の大野彰子調査企画課長は「これらの結果を総合することで、コロナ禍と学力の関係を確認することができると考えている」と語った。