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大阪で府独自の学力調査「すくすくウォッチ」始まる

大阪府が新たに始めた学力調査「すくすくウォッチ」に臨む小学5年の児童=27日午前、大阪府大阪狭山市の南第一小学校(沢野貴信撮影)
大阪府が新たに始めた学力調査「すくすくウォッチ」に臨む小学5年の児童=27日午前、大阪府大阪狭山市の南第一小学校(沢野貴信撮影)

 大阪府は、公立小学校の5、6年生を対象に、読解力や情報活用能力の向上を目的にした独自の新しい学力調査「すくすくウォッチ」をスタート。学校や日常生活についてのアンケートも行い、通常の学科試験では測れない子供たちの個性を発見して伸ばすのがねらいだ。ただ、従来と全く異なる分析結果を教育現場や各家庭がどう生かせるかは未知数だ。

 今年度から新たに始まった取り組みで、対象は府内の全公立小学校5・6年の児童計約14万人。26日~6月8日に、各校で順次実施する。事業費は約2億9800万円。

 文章やグラフなどを見て自分の考えを表現する、教科横断型の「わくわく問題」と、一般的な教科(国語、算数、理科)問題を出題。回答時間は「わくわく」が40~50分、教科問題とアンケートは各20分程度。点数はつけず、模範解答を示しながら、児童が導き出した解答から学習課題を指摘する。

 アンケートでは、好奇心や粘り強さなど、学力調査には現れない児童の個性を評価する。作業は府が委託する専門業者が一括して担い、結果は成績に反映させないという。

 6年生は全国学力テストと教科が重なるため、今回は「わくわく」とアンケートのみ実施。8月をめどに、専門業者による分析結果をA3判6ページの「個人票」にまとめ、児童に配布する。

 実施の背景にあるのは、難航している学力の底上げだ。大阪府市はこれまで、独自の「チャレンジテスト」実施や中学生への塾代助成など、さまざまな独自策を展開しているが、令和元年度の全国学力テストで、大阪市の小学校の国語の成績は名古屋市と並び20政令市で最下位。吉村洋文知事は、同年夏のボーナスの手取り分全額(約40万円)を返上、被災地に寄付した。

 全国学力テストの結果から、府教育庁は府内の児童生徒が抱える課題の一つは、読解力や自分の考えを伝える力などの言語能力とみている。元年度の結果をみると、府内の公立小の国語の平均正答率は、全国平均を3・5ポイント下回っており、「算数でも文章を読み解き、考えを書く力が弱かった」(担当者)。「すくすく」を通じ、今後の授業で活用してもらうための教材案も作成する方針だ。

 ただ、従来と全く異なる分析結果を実際にどう活用するかは、これからの課題だ。27日、「すくすく」を実施した大阪狭山市の市立南第一小学校の5年生の教室では、普段のテストとの違いに、不思議そうな顔をする児童もいた。