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コロナ禍での過ごし方 佐藤弥生教諭に聞く 「読書で闇の中に光を」お薦めは芥川「蜜柑」「ピアノ」

 新型コロナウイルス感染拡大を受けて、学校や図書館、一部の書店が閉まり、休校や外出自粛の子供たちの活字に触れる時間が減少し、読書離れが懸念されている。高校の国語教師で、NIE(教育に新聞を)の活動に尽力する佐藤弥生教諭(61)に読書体験の大切さ、自宅で過ごす工夫などについて聞いた。

 --子供たちが本に接する機会が失われつつある今の状況について

 「読書を通して力のある言葉や励ましが必要なのに、読む本が手に入らないもどかしさがあります。また、スマホばかりを見つめていると、不確かな情報や不安をあおるだけの言葉によって、ますます憂鬱になってしまうのではないかと心配しています」

 --本をもっと読みたい子供がいる一方で、本とさらに無縁になってしまう子供もいる。それぞれどんな助言を

 「もっと読みたいのに本の入手が困難だという人は、インターネット上の電子図書館である『青空文庫』を活用するのはいかがでしょうか。教科書に登場する文豪の作品を無料で読むことができます。読書が苦手という人も、まずは短編からチャレンジする方法があります」

 --子供たちもこれまで経験したことのない困難に直面している。具体的にどんな本を推薦するか

 「例えば、全国の高校1年生が学習する小説『羅生門』の作者、芥川龍之介の短編。特にお薦めしたいのは『蜜(み)柑(かん)』と『ピアノ』です。『蜜柑』にはトンネルが出てきます。私たちもコロナのトンネルを抜け出たいですね。『ピアノ』は関東大震災から1年後の横浜が舞台。どちらも、闇の中に小さな光を感じることができます。ネット読書会をしたいくらいです」

 --自宅にいる多くの時間を工夫する上では新聞を読む機会にもなる

 「お薦めは『新聞ノート』作り。気になる記事を貼って意見を書く、家族で話し合う、他社のネットニュースと比較するなど。私は表紙に『コロナには負けない!』とタイトルを付けました。『活躍する人』や『自然・季節』など、コロナ禍以外の記事も含めましょう」

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【プロフィル】さとう・やよい

 県立川越女子高勤務(国語)。教員歴39年、NIE歴22年。日本新聞協会認定NIEアドバイザー、日本NIE研究会会員。