学校HP「edumap」利用広がる 一般社団法人が無償提供 自宅学習に活用
新型コロナウイルス感染防止を目的とした休校が続く中、学校のホームページ(HP)を作成できるシステム「edumap(エデュマップ)」の利用が広がっている。自宅でできる学習や運動の動画などを簡単に載せることができ、活用する学校は「迅速に情報発信ができる」と評価する。
「学校で勉強できないときは、この動画で勉強してみよう」
2日から休校している川口市立神根中。HPにある特設ページは、国語の文学作品の音読など、自宅学習の方法を紹介している。校庭開放をした際に、生徒らがサッカーやダンスなどをしている様子も伝え、運動不足の解消も促している。
神根中では休校開始後、校長や教員らが委員会を立ち上げ、HPに掲載する内容を検討した。教員の一人は「HPに関わる教員の数が増えた」と話す。
他の小中学校でも、休校前に準備できなかった課題を掲載したり、終業式のお知らせを掲載したりするなど、各校の状況に応じた使い方をしている。
エデュマップは、一般社団法人「教育のための科学研究所」(所長・新井紀子国立情報学研究所教授)が無償提供する。学校単位でIDとパスワードを取得し、一定のデータ量までは無料だ。パソコンやスマートフォンから情報を掲載でき、保護者や子供もスマホなどで内容を確認できる。
新井教授によると、学校HPの多くは自治体や学校にあるサーバーでデータを管理しているが、エデュマップはサーバーを分散配置しているため、災害時などでも情報発信に支障が出ない仕組みだ。「簡単に情報を更新できる。災害時だけでなく、今回のように休校が長期化した際も、学校HPを機動的に使える点が重要だ」と話している。