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【入試最前線】2020(7)大学の「面倒見の良さ」って何? 進学先選びの新潮流

 近年の大学選びでは「面倒見の良さ」が大きなキーワードになっている。親世代が受験した時代にはほとんど聞かれなかった言葉だが、今では、偏差値や大学名や学科などのブランド以上に重視されるポイントという。具体的にどんな「面倒」を見てもらえるのか。

サポート充実、ドロップアウト防ぐ

 「手取り足取り何から何まで見てくれる、というわけではないんですよ」

 そう話すのは大学受験関連の書籍などを多数取り扱う「大学通信」常務取締役の安田賢治さん。面倒見が良いと評判が高い大学は、勉強面での悩みを抱えていたり進路に迷ったりしている学生に寄り添い、解決へと導くサポート体制が充実している。「分からないことは自分で調べろ、と突き放す時代ではなくなったということ。それだと学生がやめてしまいますから」

 安田さんが「面倒見の良さ」を意識し始めたのは1990年代の終わり頃。「それまでは大学に入ることがゴールで、講義をさぼりがちな学生も多かった」といい、理系学部などでは難易度の高さについていけずドロップアウトする学生も少なくなかった。

 その流れに一石を投じたのが、金沢工業大学に平成12(2000年)年に設置された「数理工教育研究センター」。大学の学習範囲はもちろんのこと、必要なら高校時代の数学のつまずきまでさかのぼり、個別授業も行って基礎から学び直しをサポートする。地元高校の教師らから「しっかり学ばせてくれる大学」と評価を高め、進学する学生も増えた。安田さんは「大学が目を光らせて学生を支援するため、本人だけでなく高校や保護者の安心感も高めている」とみる。

ゼミや合宿でモチベーションアップも

 同社では、高校の進路指導教諭へのアンケートをもとに「面倒見の良さ」をランキング化。昨年発表したランキングの1位は金沢工業大学だった。

 一方、文系で安田さんが注目するのが、同ランキングで3位の武蔵大学。「“ゼミの武蔵”との呼び声が高く、4年間ゼミが必修で、進級する際には教員間で学生の情報を申し送りするなど手厚い」と安田さん。

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