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秋田で臨時教員が慢性不足 「教育県」の苦悩、人口減や若者流出も影響

 子供の学力が全国トップクラスの「教育県」である秋田で、公立学校の臨時教員が慢性的に不足している。待遇面では充実しているものの、人口減少と人手不足の中、教員免許があっても首都圏などの民間企業に就職するケースが多いのが現状だ。70歳以上のOB・OGの教員に県教育委員会が直接勧誘することもあるほどで、関係者も頭を悩ませている。 (八並朋昌)

 ◆自転車操業が常態化

 県教委では来年度向けの臨時・非常勤教員の登録募集を8月から開始しているが、実は、今年度向けに昨夏から始めた登録募集は今も続いている。県教委の担当者は「年度初めには休暇・休職教員の代わりを配置できるが、年度途中から休む教員もいるので、常時登録を募集しているのが実情」と説明する。

 昨夏からの今年度向け募集分(4月1日時点)では登録者は計1296人だが、登録後に民間企業に就職するなどして配属したのは1205人にとどまった。「教員採用試験に落ちても、臨時教員として更新を続けているベテラン教員も少なくない」(県教委担当者)というほど“自転車操業”が常態化している。

 実際の在籍者全体で見ると、小中学校では計4785人の正規教員に対し、臨時・非常勤教員は計750人で16%。県立高校では計約1800人に対して計約360人と2割に上る。

 ◆OB・OGの勧誘も

 臨時教員は正規教員同様のフルタイム、非常勤教員は授業のみの時間給制で、小中高・特別支援の全校種を募集しており、年齢制限もない。臨時教員の待遇は正規教員に比べ給与がわずかに低いが、厚生面ではほとんど差はないという。

 任期は非常勤教員が4カ月、臨時教員が半年だが、実際はどちらも1年間となり、その後も更新したり、空きが出た他校に転属したりするケースも多い。担当者は「養護免許でも小学校、中学免許でも高校に配属することもある。60歳定年後に再任用などを終えてリタイアした70歳以上の人に直接呼びかけることもある」と打ち明ける。

 正規教員は、出産休暇や育児休暇、疾病やけがによる病気休暇・休職があり、その代用として臨時・非常勤教員を充てるが、登録から配属まで数カ月かかることも。そのため「特に若い人は安定傾向や東京への憧れから、連絡するとすでに首都圏などの民間企業に就職したという人も少なくない」(同)という。

 担当者は「教員を志して免許を取った人には臨時教員の道もあるので、郷土の教育のために活躍してほしい」と話している。