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【在米日本人ママリポート(9)】自ら道を選択し生きる力を育む 米教育の成果 上野美和

 息子は大学3年になって、細胞生物学の研究室で課外活動として研究を続けていたものの、ボルダリング(スポーツクライミング)にも時間を費やしていたようだった。

 そして3年生の半分を過ぎた頃、「医学校へ行く意味が分からなくなった」と言ってきた。将来どうするのかを話し合った結果、本心がどこにあるのか、自分でも見えてないように思えた。

 3年生が終わった夏休みの3カ月。これまでは医学系大学の研究室で過ごしていたが、視点を変え、子供の頃から中学の頃までずっと興味のあった建築関連のインターンを勧めてみた。息子はインターンの際に必要になる本や建築のソフトを使えるように勉強し始めた。

 その夏は、病気の夫が日本で治療を受けることになった。3人で日本へ移り、夫は入院し、息子は日本の建築事務所でインターンを始めた。約2カ月半、毎日朝から夕方まで建築デザインの勉強をし、コンペに必要なデザインにも少し関わらせてもらえたこともあり、とても楽しいと話していた。

 私は病院へ行き、息子はインターン帰りに病室に寄ってしばらく過ごし、一緒にアパートに帰ってご飯を食べる日々。息子はインターンが終わる頃、「日本で医者になって研究したい」と言い始めた。

 建築はとても楽しいが、研究のインターンをしていたときの興奮を思い出し、自分は研究が好きだとつくづく思ったらしい。その夏に息子が将来について考え決めたことは、日本で暮らすこと、医師として臨床研究もできる研究者になりたいということだった。

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