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【一聞百見】存続危機の男子校「顧客満足度アップ」で大改革 興国学園理事長・興国高校校長の草島葉子さん(58)

 カリキュラムも、生徒の中学時代の成績をもとに、基礎から積み上げることを徹底した。難しいのは意欲、やる気を引き出すことだ。「勉強ぎらい、スポーツ好きの生徒にどう前向きにさせるかを工夫しました」。例えば、教員が知恵を出し合い、クッキングやダンスのなかで英語に親しむような授業も始めた。

 現在、同校の生徒は約2270人。一人一人違うその個性を、社会に貢献できる人材へと育てようというのが「ONLY ONE教育」だ。そのためには、従来のように教員がただ生徒に教え込むだけの知識偏重型の教育では実現できない、と草島さんは考えている。

 改革に着手して約20年。生徒数は倍増し、今春の進学実績は過去最高となった。多様な目標を持つ生徒一人一人に合わせた独自の教育方針が、支持されたのである。

 ■多様な生徒 多彩な未来探る

 校内を案内する草島さんの足取りはテンポがいい。こちらがボーッと見学していて振り返ると姿が消える、というより、出会う生徒らに声をかけている。

 「社会人生活から学校に戻るとき、経営者の先輩方から、とにかく現場の声に耳を傾けてあなたは調整役、オーケストラの指揮者に徹しなさい、とアドバイスをいただいたのです」

 多様な個性を持つ生徒たちがいるのが同校の特徴だ。草島さんはそれぞれが奏でる音に耳をそばだて、生徒の心を読み取ろうとしているかのようだ。

 「進学、就職、プロスポーツまで多様な目標を持つ生徒がいます。成績で輪切りにして進学実績を伸ばすといった、従来の学校運営はなじまないのです」

 その言葉通り、同校では、進学▽運動部参加が前提のアスリート▽公務員などへの就職▽ITビジネス-の各コースがある。2年次からさらに細分化され、プロスポーツやITゲーム・デジタル技術習得、保育や小中教員志望者向け、といった具合だ。

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