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【入試最前線】(6)文理選択に意外な決め手

どのような分野に興味があるのかを知るために、新聞を活用するのもひとつの手段
どのような分野に興味があるのかを知るために、新聞を活用するのもひとつの手段

 自分の将来なんてまだ考えられない…。高校生たちの勉強の大きな悩みにもなるという文理選択。文系に進むべきなのか、理系に進むべきなのかと、すぐには決めることができない高校生たちは、どうやって考えていけばよいのだろうか。

 河合塾千種校(名古屋市)の高田眞孝校舎長は、一例として、自分の得意な科目、不得意な科目を起点に考えを進める方法をあげる。

 「国語が得意だから文系、数学が不得意だから文系、と単純に決めるのではなく、科目の得意不得意をきっかけに自分の興味や関心を掘り下げてほしいということです。得意科目というものは、興味がある科目ということでもあるので、そこから広げていって考えてみてはどうでしょうか」と指摘。

 「得意な科目が、どんな分野につながっているのか、それは大まかにいって文系っぽいのかな、理系っぽいのかな、どっちなのか、といった具合に考えていってはどうでしょうか」

 ただ、不得意科目を意識しすぎないことも大切だという。「文理選択は高校1年生で行われることが多いが、その時点の不得意科目は克服できることもある」からだという。

「新聞」の活用も

 また、自分が何に興味があるのか、漠然としていて分からないときは、新聞を読むことも一つの手段だという。

 新聞には、多様な分野のニュースが掲載されている。「新聞を読んで、どんな記事に目がとまるか考えてみる。そうすることで興味のあるグループを作ることができ、漠然としたものが実感としてつかみやすくなる」という。

 また、河合塾で行っている診断テスト「学びみらいPASS」を受検するのも、きっかけの一つになるという。その中の1つ「R-CAPforteens」では、質問に答えていくと、向いている職業や学問領域などを示してくれる仕組みで、「自分で自覚してない部分で、『客観でみればこういうところがあるよ』と結果がでてくる。自分はこういうところに適性があるのか、というのを知るだけでも考えるきっかけになる。何かきっかけを作らないと、考えることは深まらない」。

 大事なことは、漠然とでも良いので、自分の興味や関心がどこにあるのかということを見つけること。その、きっかけができれば、インターネットなどで調べる手段は多様にある。保護者や先輩に意見を聞くことも意外に重要で、「話をしてみると『僕こう思っていたけど、ちょっと違うな』とか思うことも出てくるだろう」と話していた。

求められているのはハイブリット人材

 試験科目にかかわるだけに、大学受験のなかでは自分は文系か理系かという文理選択をせざるをえないが、河合塾教育情報部の富沢弘和部長は「本来、社会で求められている能力に文理分けはない」と指摘する。富沢さんによると、現在の社会で求められているのは「文系・理系のハイブリット人材」だ。

 「理系でもグローバルな分野で活躍しようと思えば語学や教養も求められる。複雑化する今の社会のさまざまな問題を解決するには幅広い知識の融合が必要で、『オレは文系だから、私は理系だから』といった言い方はもう通用しない」という。

 こうした動向を反映してか、文系入試のなかでも数学を必須にする動きも出てきた。早稲田大は昨年6月上旬、政治経済学部の一般入試で、これまで選択科目だった数学を、「論理的な思考力を身につけた学生に来てもらいたい」として平成33(2021)年から必須にすると公表し、話題になった。早稲田大は会見で、「政治経済の分野で統計学の重要性が高まったことを受け、数学を全員に課す」と主旨を説明していた。同様の動きが、ほかの大学に波及する可能性もあるかもしれない。

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