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来年度入試の動向は(2)私大志願者は増加続くも、難関私大は敬遠か? 

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国公立大が受験生の敬遠を招いているのとは対照的に、多くの私大は志願者を伸ばしている。この春の入試で志願者が10万人を超えたのは東洋大、法政大、早稲田大、日本大、明治大、近畿大の6大学を数える。多くの大学が前年比の107%~108%の志願者数増を記録する好調ぶりだ。18歳人口が減少する中でなぜ、私大は志願者を増やし続けることができるのか?

私大志願者増のカラクリ

 その「カラクリ」はというと、1人当たりの出願が増えているのだ。1回の受験で複数の学部・学科への出願を可能にし、複数出願時には受験料を割り引くといった私大側の工夫が奏功した結果といえる。

 それを裏付けるのが次のデータだ。明治大ではこの春の入試で12万人もの志願者を集めた。ところが、このうち実際に受験したのは6万1000人。明治大を目指すほとんどの受験生が2学部(学科)を出願している計算だ。

 志願者が増えれば人気大学とみられ、注目度も上がり、それがまた受験生を集める原動力となる。受験生の数が確実に減り続ける中で、多くの私大が1人の受験生に複数の学部を受験してもらうべく、しのぎを削っていることがうかがえる。

定員超過を抑えろ

 志願者を増やし続ける私大にとって、頭を悩ませる問題がある。それは文部科学省による定員超過抑制の動きだ。

 私大入試では通常、定員を上回る合格者を出すのが一般的だ。他大学の入試結果を見たうえで入学するか否かを判断する受験生が多いからで、推薦入試などでは入学定員を何割も上回る合格者を出すことは珍しくない。何人が入学するかは入試が終わらなければ確定できないからだ。

 通常の入試でも、わずか1点に沢山の受験生が連なる中で、入試の合否の線引きをどこにするかということも難しい判断となる。

 これまでは、定員を1割程度超える入学者がいても許容されていた。ところが最近は文科省が定員を厳格に守る方針を打ち出し、是正や改善を求められる大学も多い。定員を守らない大学には新たな学部新設を認めない方針も示している。

 こうした中、私大関係者に衝撃が走る出来事が今年5月にあった。全国規模で展開している日本赤十字看護大でこの春、入学者が大幅に定員超過となり、この影響で来春開学を目指していた「さいたま看護学部」の申請を断念せざるを得ず、開学が1年延期される見通しとなったのだ。

 各大学も入学者を定員に近づけるべく神経を使っている。都心にある55大学で調べると、入学定員は2016(平成28)年の20万4094人から2018年には21万3481人に約9400人増えている。ところが、一方で入学者は2016年の22万4560人から21万8062人へと約6500人も減らしているのだ。2016年に110%だった定員充足率は2018年には102%。志願者と定員が増える一方で、大学側は合格者を抑制気味にし、定員を厳格に守るよう努めなければならない。

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