【河合塾×産経オンラインセミナー配信中】森千紘英語科講師 やるべきことが増えただけ

今年のリーディングは語数が約500語増えたが、難易度は昨年並みだ。特徴として、最後まで問題文を読んで答えを探す問題が多かった。図書館の利用説明書の問題は、最初の問いから解答根拠が文全体に散らばっていた。
イギリスの3つの山を24時間以内に登頂する文章問題や家電について「新品派」「中古派」の意見問題には、時間や価格など大量の数字が並んだ。数字情報をどこまで使うのか判定しづらく、学力というよりは作業に近かった。
羅列された些(さ)末(まつ)な情報を偶然見つけたらラッキーというような、運に左右される問題は適切だろうか。
全体的に高校教育の到達度を測るのか、大学教育に必要な学力を測るのか、ごちゃ混ぜという印象だ。特にブラジルのデザートの問題に疑問を持った。
対策はベース学力をつけること。低学年ではじっくり文法、しっかり精読、その後に多読精読を勧める。
リスニングは、読み上げ速度が遅くなりセンター試験の平均に近づいた。が、最後までしっかり聞いて理解する「リスニング的体力」が求められる。慣れるために、聞こえた英文を声に出して再現する「完コピ」練習が大事だ。
時制や前置詞など文法的知識を問う問題も目立った。
対策は、解く→英文を見て聞く→見ないで聞く、を繰り返すことが有効だ。
やるべきことが変わったのではなく増えただけ。今までどおりの勉強をしてほしい。