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学校でフェイクニュース見抜く技術育成を 坂本旬・法大教授 

学校でのリテラシー教育の必要性を説く坂本旬・法大教授=東京都千代田区
学校でのリテラシー教育の必要性を説く坂本旬・法大教授=東京都千代田区

 新型コロナウイルスに関連し、ネット上では、感染者情報、予防法、医療などについて虚偽情報が飛び交っている。こうした「フェイクニュース(偽のニュース)」を見分けるにはどうすればいいのか。情報教育に詳しい坂本旬(じゅん)・法政大教授は「学校で情報・ニュースのリテラシー(判断・活用能力)や、ファクトチェック(真偽検証)のスキルを教えて、子供たちにネット社会で生きる力をつけなくてはならない」と強調した。

 ■偽ニュース8割分からず

 2016年、米スタンフォード大学が行った調査で、米国の中学生の8割はインターネット上の本物のニュースと、ニュースを装った広告(偽ニュース)の見分けがつかないことなどが明らかになった。

 折しも、ネットで拡散したフェイクニュースが大統領選に影響したといわれた時期で、「米国ではこの調査結果が大きく報道された」(坂本氏)。

 米の図書館協会が中心になって、「クラップテスト」というインターネット情報の信頼性を評価する方法を広め、情報リテラシー教育を進めた。

 クラップテストとは、(1)情報の発信者(2)発信日時(3)事実か・参照はあるか(4)自分に関係あるか(5)発信の目的-を調べるというものだ。

 ■発達段階に応じたスキル

 大学や民間団体なども、ニュースリテラシー教育やフェイクニュース対策に力を入れ出したという。

 その一つがファクトチェックだ。特定の価値観を離れ、(1)事実と意見を区別し事実だけ調べる(2)結論には自分の意見を加えない-とルール化して情報を評価する。

 中でも、「横読み」と呼ばれる、オンラインで情報の源流にどんどん遡(さかのぼ)って調べる方法が有効だそうだ。たどり着かなければ「不正確」と評価することで公平性を担保する。このスキルを子供の発達段階に応じて教えていくという。

 ■自分で調べる意識づくり

 坂本氏はリテラシーの原点は批判的精神だと強調する。「大事なのは情報をすぐに信じず、自分で調べて判断することだ」

 また、日本の情報教育はメディアの活用法やプログラミングが中心で、リテラシー教育が弱いのが問題だと指摘する。

 「日本の学校で実践すると、多くのパソコンはフィルタリングがかかっており、情報源までたどり着けないのではないか」

 リテラシー教育は新聞社のNIE(教育に新聞を)に大切なことだとも訴える。「ネット空間には新聞記事より、『陰謀論』と呼ばれる根拠不明の記事こそ真実だと信じる読者がいる。リテラシーの育成は、ネットで質の高い新聞社の記事を読む将来の読者を育てることになる」

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