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【ビジネスパーソンの必読書】情報工場「SERENDIP」編集部

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 とくに興味深いのが、ボールペンの発明に貢献した液体の性質だ。紙に文字や図を書くペンには、ペンの中をインクがスムーズに流れ、紙に触れると、にじまないよう即座に乾く仕組みが求められる。それがうまくいかない万年筆の欠点を補い、ボールペンを考案したのがラースロー・ビーローとその弟である。

 ビーロー兄弟が注目したのは「非ニュートン挙動」という「力を加えると粘性が高くなる」特殊な液体の性質。彼らは、インクにその性質を持たせることで、ストレスなく書けるボールペンを誕生させた。

 私たちの身の回りの液体はさまざまな性質を持っている。虚心に観察することで、問題解決やアイデア創出のヒントが得られるのではないか。

■連帯のため今こそ

 □『実力も運のうち 能力主義は正義か?』マイケル・サンデル著、鬼澤忍訳(早川書房・2420円)

 テレビ番組『ハーバード白熱教室』で人気を博した政治哲学者の新著。「努力と才能次第で誰でも成功できる」という「能力主義」の弊害について論じる。

 性別や人種、貧富などの違いによらず誰にも成功のチャンスがある能力主義は、一見公平で正しく思える。しかし、才能や努力で成功をつかみ、学歴や社会的地位を得た者は、成功できなかった者たちを下に見がちだ。機会が与えられたのに努力しなかったとして敬意を払わなくなるのだ。

 そのことが、成功できなかった者たちの尊厳を奪う。そして成功者たちへの反感を生み、社会に「分断」がもたらされる。現代の米国社会で起きている現象がまさしくそれだ。

 だが実は才能を持って生まれてきたのも、努力を手助けする親や教師に恵まれたのも「運」にすぎない。著者は、誰もがそうした謙虚さを持つべきだと説く。

 コロナ禍で共同体の連帯が求められる今だからこそ、能力主義を批判的に検証すべきなのだろう。

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