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【島を歩く 日本を見る】「東洋のナポリ」に栄華の面影 保戸島(大分県津久見市)

集落内には、日本一狭い県道ともいわれる「612号」がある
集落内には、日本一狭い県道ともいわれる「612号」がある
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 当時、島の女性たちは上質な服を身にまとい、本土の人たちにとって花形の存在だったという。長期で漁に出る男性たちに代わって、島を守ってきたのも女性たちであった。テボと呼ばれる伝統籠を背負い、たくましく島を歩く女性の姿は今でも見られる。

 古老の口伝によると、保戸島に人が住み着いたのは、源平合戦で敗れた平家の落ち武者が島にたどり着いたのが始まりだという説がある。その祖からつながれた歴史、文化、産業は「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれている。

 現在、人口は大きく減ってしまい、世帯数は約360。マグロ漁船は10隻のみで、後継者はほぼいない。津久見市や島おこし団体「穂門ノ郷(ほとのさと)」などが、伝統行事である加茂神社の夏祭りに合わせてイベントを開催したり、土産物の商品開発をしたりして、島を支える。

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 集落を縦横無尽に通る小道を登り、見晴らしのよい桜坂に出た。眼下には、栄華の時代を終えた穏やかな集落がひっそりと広がり、漁師たちが人生をかけて繰り出した紺碧(こんぺき)の海がきらきらと揺れている。

■アクセス 大分・津久見港から1日6便の船が運航

■プロフィル 小林希(こばやし・のぞみ) 昭和57年生まれ、東京都出身。元編集者。出版社を退社し、世界放浪の旅へ。1年後に帰国して、『恋する旅女、世界をゆく-29歳、会社を辞めて旅に出た』(幻冬舎文庫)で作家に転身。主に旅、島、猫をテーマに執筆およびフォトグラファーとして活動している。これまで世界60カ国、日本の離島は100島をめぐった。

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