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コロナ禍で祭礼中止続く 継承に危機感も 

関係者のみで行われた葵祭の神事「社頭の儀」=15日午前11時13分、京都市左京区の下鴨神社(渡辺恭晃撮影)
関係者のみで行われた葵祭の神事「社頭の儀」=15日午前11時13分、京都市左京区の下鴨神社(渡辺恭晃撮影)
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 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、伝統ある祭りは縮小や中止を余儀なくされている。本来なら王朝絵巻さながらの行列が練り歩く京都・葵祭も15日、昨年に続いて関係者のみ出席する神事が行われた。7月の祇園祭も見せ場となる山鉾(やまほこ)巡行は中止に。関係者の間では、所作や技術といった伝統の継承や維持費の確保が課題となりつつある。(田中幸美、石川有紀)

募る危機感

 「1、2年は1400年の祭りの歴史からすればわずかな時間かもしれないが、私たちにとっては貴重な時間だ」

 葵祭の行列を主催・監修する葵祭行列保存会会長で京都橘大の猪熊兼勝名誉教授(83)は、伝統の継承に危機感を募らせている。

 葵祭は下鴨神社(京都市左京区)と上賀茂神社(同市北区)の例祭。平安装束をまとったヒロインの「斎王代(さいおうだい)」ら約500人による行列「路頭の儀」がハイライトだが、今年は3月に中止が決定。15日午前、下鴨神社で関係者のみ出席して疫病退散などを祈願した。

 例年、行列は約1年かけて準備を進める。2年連続の中止は関係者にとって大きな打撃だ。一部の行列参加者や支える裏方は高齢化が進んでおり、期間が空くことで一線を退く人も。そのため、馬のくらの付け方や小道具の持ち方など、細かい作法を伝えられなくなる恐れが出てくるという。

夏の風物詩も

 悩みは祇園祭も同じだ。

 山鉾は櫓(やぐら)と呼ばれる本体をくぎを使わずに木材の凹凸だけで接合させ、接合部にわら縄を強く巻きつける「縄がらみ」という独特の技法で完成させる。山建てに携わる男性(59)は「ブランクが長いほど作業効率が落ちるし、忘れられる習慣や技術があるかもしれない」と心配する。

 巡行を主催する祇園祭山鉾連合会は感染状況を見極めながら、山鉾建て実現の可能性について検討中で、大嶋博規副理事長(65)は「技術を伝承しなくてはならず、文化財の保護や伝統技術の継承を含め山鉾建てには大きな意味がある」と強調した。

 資金面の問題もある。連合会には毎年、京都府市などから約1億円の補助金が交付されるが、巡行が中止となった昨年は例年の約3分の1に減額された。大掛かりな山鉾の部材や美術的価値が高い飾り幕などの維持管理は巡行がなくても必要で、ある関係者は「資金繰りは巡行をやってもやらなくても大変だ」と話す。連合会は10日から、昨年に続いて山鉾の維持費などをクラウドファンディング(CF)で募っている。

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