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【Dr.國井のSDG考~置き去りにしない社会を目指して(7)】(上)ゲスト・児玉治美さん「理不尽への怒り、原動力に」

医師の國井修さん(松本健吾撮影)
医師の國井修さん(松本健吾撮影)
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 國井 例えば女性議員を増やす話も、日本では進まない。積極的に議員になりたがる女性も少ないと聞いています。地方では女性が立候補しようとすると嫌がらせもあるとか。外国人についてもそうです。議論の中に外国人が入っていないことが多いと思います。これだけ外国人の学生や労働者が増えているのに、大学や地域の将来をどうすべきかというところで外国人の視点が入っていない。日本の多くの人が、今の日本に閉塞(へいそく)感を感じたり、今のままではまずいと思っているようですが、意思決定権のある人の中にどれほど本気で変えようと思っている人がいるのでしょうか。

 児玉 そうやって何度もあきれる経験をしながらも、國井さんは日本を変えたいという思いで発信を続けているから素晴らしいと思います。私は問題意識はあるんですが、諦めてしまっているところもあって…。永田町も、私が勤めていたときから25年たってもまったく変わらない。テレビのニュースを見ても、汚職や利益誘導の話ばかり。それ以外にもっと大事なことがあると思います。

 國井 海外に長く住んでいるからこそ、日本に対する思いは強いのだと思います。外から見ていて、日本は世界の動きの速さについていけてない。日本には世界に誇る素晴らしいものがたくさんあるのに、人々の満足感や幸福感は低くて、残念、もったいないと感じることも多いですね。

 ぼくは未来を構想するときは必ず、その中に若い人たちを入れてほしいと言います。というか、将来を担う彼ら自身が中心になって議論して決定すべきでしょう。逆に、若い人と話をするときは、自分の考えをきちんと持てと言います。多くの課題を抱える日本をどうしたいのか、環境破壊や地球温暖化で悲鳴を上げている地球をどう救っていくのか、自分たちの未来に責任をもって、自らの考えを持ってほしいと思います。課題は多いけれど、テクノロジーの発達を含め、イノベーションは進んでいく。内向きにならず、大きな夢を持ってほしいと思う。

 児玉 その通りです。だけど、国際的なマインドを持った若者は世界に出ていってしまって、日本に残らないのではないかと心配です。私自身が日本を去って長く帰ってこなかったですし、日本では若い人たちが活躍できる場がまだ育っていません。頭脳流出しないためには、どうすればいいでしょう?

 國井 ぼくはどんどん頭脳流出していいと思っているんです。今は世界のどこにいても、オンラインでつながれるでしょう? 海外で活躍している人たちも日本とつながって、日本の進化や活性化に貢献してほしいと思う。日本人はどんどん海外に出ていって、その経験や知識を日本に還元していってほしい。若い人だけでなくて、内向きで後ろ向きな中高年の人たちにも刺激を与えていってほしいと思います。

 児玉 確かに、そう考えると頭脳流出も悪くないかもしれません。でも、昔に比べてそういう若者は少なくなっていますよね。バブルの時代は皆が留学や海外旅行をしていたけれど、今は内向きになっている気がします。日本と比べると、例えば今、多くの中国人が海外に出ていますが、彼らは単に海外に留学するだけではなくて、行った先でベンチャーを起こし、そこに定着して活動している人が多い。日本人は駐在員として3~4年海外勤務してから日本に戻る人が多く、海外にいても日本の方を向いて仕事をしている人もいます。

 國井 それは感じますね。でも、柔軟な発想を持った行動力ある若者もいます。単なる援助でなく、アフリカで起業して新たな形の途上国への貢献をしたり、自分も楽しみながら、現地の人のためにもなるようなWIN-WINの関係をつくったりする活動をする人もいます。そんな若者を見ると、未来に希望がもてます。=(中)に続く

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