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戦後引き揚げの悲劇 福岡・二日市保養所跡で中絶女性の胎児の水子供養祭

水子地蔵堂の前で開かれた水子供養祭
水子地蔵堂の前で開かれた水子供養祭

 戦後、旧満州(現中国東北部)や朝鮮半島から引き揚げる途中に性的暴行を受けて妊娠、中絶した日本人女性の胎児を慰霊する水子供養祭が14日、福岡県筑紫野市の特別養護老人ホーム「むさし苑」内にある水子地蔵前で、済生会二日市病院の主催で営まれた。

 供養祭は、新型コロナ感染症予防のため、同病院の壁村哲平院長ら関係者十数人だけで行われた。僧侶の読経の中、焼香して水子の霊を慰めた。近くに住む男性(88)は「旧満州や朝鮮半島で起きたことは、あってはならないこと。二日市保養所のことは本などで調べた」と語り、水子地蔵に手を合わせていた。

 終戦と同時に多くの女性たちが旧満州や朝鮮半島から郷里を目指したが、その途上、ソ連兵らによる性的暴行に遭遇。妊娠や性病感染を強いられた女性たちがいた。救いの手を差し伸べた施設が筑紫野市に密かに設けられた二日市保養所だった。ここでは当時違法だった中絶手術が超法規的措置として行われた。役目を終えた二日市保養所は昭和22年秋に閉所、施設を引き継ぐ形で済生会二日市病院が開設された。

 56年、同保養所設置の真相を知って感動した高校教師が、跡地に開設された「むさし苑」の一角に「仁」の文字を刻んだ石碑を建てた。翌年、当時の水田耕二院長が石碑の隣に「水子地蔵堂」を建立。毎年5月14日に供養祭を開いている。同病院の川浪泰男事務部長は「これからも供養祭は継承していきたい」と語った。(永尾和夫)

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