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小学生のスマホは慎重に いじめ、犯罪のおそれも

 スマートフォンが小学生にも普及する中、会員制交流サイト(SNS)をめぐるトラブルも増えている。ささいな行き違いから友人間でのネットいじめに発展したり、犯罪に巻き込まれたりするケースも。だが、SNS上でのトラブルを学校や保護者が把握するのは難しい。子供にどのようにスマホを使わせるべきか、慎重に考える必要がある。(木ノ下めぐみ)

 大阪府東部に住むパート勤務の女性(48)は、3年前に次女(13)が巻き込まれたSNS上でのトラブルが、今も尾を引いていると話す。

 ■炎上、不登校に

 きっかけは、些細(ささい)なことだった。小学5年生だった次女が訪問先で撮影した犬の写真をフェイスブックに投稿したところ、グループ仲間の女児が「他人の犬の写真を勝手に上げるのはルール違反」との趣旨をコメント。次女は許可を得たことを説明したが、その後はインスタグラムやティックトックなど、ほかのSNSにも写真や動画などを投稿するたびに批判され、“炎上”状態になった。

 女性は次女の投稿内容を把握しており、「変な内容はなかった」と振り返る。状況が一向に改善しないため、投稿を控えることやアクセス制限、退会も勧めたが、次女は「退会したら学校で何をされるか」とおびえた。

 次第に「学校にもネットにも居場所がない」とふさぎこむようになり、今も学校を休みがちな状態が続いているという。

 ■被害、5年で倍増

 短い言葉だけでやりとりするグループチャットは、大人同士でさえ誤解を招きやすい。実は、SNSには高度なコミュニケーションスキルが必要だが、生まれたときからインターネットが身近な「デジタルネーティブ」世代の子供たちは、ネットは使いこなせても、そこに潜む危険性を理解できているわけではない。

 警察庁のまとめでは、昨年1年間にSNSをきっかけに犯罪に巻き込まれた18歳未満の子供は1819人。全体の被害者数は前年から263人減少したが、小学生の被害は12人増の84人で、5年間で倍増している。背景にあるのが、スマホの普及だ。内閣府の昨年度の調査によると、スマホでネットを利用する小学生442人のうち、41%が自分専用のスマホを持っていると回答した。

 SNS上でのトラブルに遭遇した女児も、学童保育を卒業した小4のときに専用スマホを持ち始めた。母親の女性は「仕事で不在がちなので、スマホを持たせれば子供と連絡をとりやすく、安心できた」と話す。

 ■規約浸透せず

 実は、ほとんどのSNSは13歳未満の子供の使用を認めていない。ツイッターは保護者の同意が必要で、近年小学生にも人気の「ティックトック」は保護者が認めたとしても「アプリを使用できない」と規約に明記している。

 だが、規約の内容が十分に保護者に浸透しているとは言い難い。東京都が今年、子供にスマホなどを使わせている保護者を対象に行った調査では、小学校高学年の保護者260人中、SNSの利用に年齢制限があることを知らなかった保護者は41・8%と、半数近くに上った。

 子供たちに比べて、学校側や保護者はSNSで何ができるのか、知らないことも多い。例えばSNSを使っていなくても、オンラインゲームのチャット機能を使えば、不特定多数とのやり取りは可能だ。昨年9月には、横浜市で小4女児がスマホ向けオンラインゲームのチャット機能で知り合った男に連れ去られる事件が発生している。

     ◇

 保護者はなぜ、小学生にスマートフォンを持たせるのか。

 通信・ITサービスの調査を行う「MMD研究所」(東京)が令和元年12月、保護者約千人を対象に行った調査では、小学生の子供にスマホを持たせる理由で多かったのは「習い事に通い始めた」(20・6%)、「学校の行き帰りが心配」(18・9%)など、子供の安全確認を目的としたものが多い。

 ただ、子供たちのスマホ利用を保護者が管理できているとは言い難い。

 内閣府の昨年度の調査では、スマホを小学生に使わせている保護者の95・2%が利用時間や閲覧できるサイトの制限といった管理をしていると答えた一方、子供が具体的にどんなサイトを見ているのかなど、利用状況まで把握している保護者は40・3%だった。

 子供のネット利用などに詳しい兵庫県立大の竹内和雄准教授は「どうしてもSNSを子供に使わせたいなら、どのように使用しているかを親がもっと監督すべきだ」と指摘。「子供にいつからどのようにSNSを使わせるべきか、社会全体で議論する必要がある」としている。

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