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【話題の本】『白鳥とコウモリ』東野圭吾著 「東野さんらしさ」詰まった大作

 隅田川にかかる清洲橋と東京スカイツリーが写り込む表紙写真が印象深い。帯には〈東野版『罪と罰』〉とある。迷宮入りした事件の被害者の息子と、「容疑者」の娘を追った名作『白夜行』の系譜にも連なる、読み応え十分の長編だ。4月上旬刊行で、4刷23万部を超えている。

 2017年11月、東京の竹芝桟橋近くに止められた車の中で見つかった男性の刺殺体。殺害されたのは正義感が強い善良な弁護士だった。捜査の過程で、生前の弁護士に電話をかけていた愛知県の男が突如全面自供する。弁護士殺害に加え、否認していた被疑者の自殺で真相が闇に葬られた1984年5月の愛知県岡崎市での金融業者殺害事件も、自分の犯行なのだ-と。すべて解決?と思いきや、その供述に被害者、被疑者の家族がともに違和感を抱く…。

 飾りを排した端正な文章で、東京の門前仲町と三十数年前の愛知をつなぐある事実が紡がれる。その先に、罪と償いをめぐる重い問いが待っている。「『東野さんらしさ』が詰まった王道の大作で、新たな代表作」と担当編集者。中日ドラゴンズや三河弁など、愛知県の会社でエンジニアとして働いた著者らしい道具立ても効いている。

(幻冬舎・2200円)

海老沢類

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