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【島を歩く 日本を見る】「ルーツ」の地、過去から宇宙へ 種子島(鹿児島県西之表市、中種子町、南種子町)

 ほかにも、種子島には日本で初となるものが多い。鉄砲とともに伝わったたばこやはさみのほか、サツマイモ栽培も初めて成功させて、薩摩藩へと広まった。また種子島家譜の記録によれば、「日の丸」はもともと種子島家の船幟だった。やがて薩摩藩の島津家の船幟となって洋式軍艦「昇平丸(しょうへいまる)」に掲げられ、明治3年以降、日本の国旗となったという。

 種子島の歩みを時間的なスケールで見れば、過去だけではなく、未来まで果てしない広がりを感じる。南種子町(みなみたねちょう)には、日本最大のロケット発射場がある宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センターがある。青い海を目前にした豊かな自然のなかに、最先端技術が集結している。

 南種子町では、以前から「宇宙留学制度」を実施している。里親留学、家族留学、親戚留学のいずれかの方法で、町内の小中学校に原則1年間通う。ロケット打ち上げを間近で見たり、JAXAの協力で宇宙やロケットに関する学習体験ができたりする。

 種子島観光協会の荒木進之介氏は「貿易の中継地点だったため、島の人は代々、島にないものを享受する心が継がれている」という。先人が島外からもたらされた数々の文物をめぐみと捉え、寛容な心を育み、後世に伝えたものは計り知れない。いずれ、日本だけでなく地球の未来を大きく変え、人類の歴史に新たな足跡を残していくだろう。

■アクセス

 鹿児島本港から高速船やフェリー、鹿児島空港から飛行機で。

■プロフィル 小林希(こばやし・のぞみ) 昭和57年生まれ、東京都出身。元編集者。出版社を退社し、世界放浪の旅へ。1年後に帰国して、『恋する旅女、世界をゆく-29歳、会社を辞めて旅に出た』(幻冬舎文庫)で作家に転身。主に旅、島、猫をテーマに執筆およびフォトグラファーとして活動している。これまで世界60カ国、日本の離島は100島をめぐった。

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