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産経児童出版文化賞を発表 大賞、八尾慶次氏のインタビューと受賞作紹介 

 生と死や命といったテーマを、抽象的な概念ではなく、子どもにも共感できる具体的なものとして提示しているのがすばらしい。(翻訳家・さくまゆみこ)

≪産経新聞社賞≫『バウムクーヘンとヒロシマ ドイツ人捕虜ユーハイムの物語』巣山ひろみ著、銀杏早苗絵

くもん出版・1540円
くもん出版・1540円
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 バウムクーヘンを日本で初めて焼いたのがカール・ユーハイム。第一次大戦中、中国にあるドイツの占領地青島(チンタオ)から日本に捕虜として連れてこられた菓子職人だ。この戦争が終わり、捕虜たちは展覧会を企画した。カールは得意なバウムクーヘンを焼いて出品。この会場が広島県物産陳列館で、現在の「原爆ドーム」だった。カールはその後東京、横浜の後、神戸でバウムクーヘンを製造販売するが、第二次大戦で店を焼失、精神も病んで避難先の六甲で終戦前日に息を引き取る。

 架空の少年少女が広島市似島(にのしま)を訪れ、実際行われている平和教育を体験する形で読みやすい仕上がり。バウムクーヘンを食べるたびに、これからはカールと平和を想(おも)うことだろう。(大妻女子大学教授・木下勇)

≪フジテレビ賞≫『サンドイッチクラブ』長江優子作

岩波書店・1650円
岩波書店・1650円
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 個別指導の進学塾の個室の床には、きょうも砂が落ちている。珠子の前に個室を使ったのは、決まって羽村ヒカルだった。

 ヒカルは、公園の砂場で砂の彫刻作りに熱中していて、勝田葉真の作品とどちらが優れているか、「黄金のシャベル」を奪い合う勝負をしている。審判は、砂像彫刻家のシラベさんだ。

 ヒカルは、塾の授業料免除の特待生で、将来はアメリカの大統領になって、戦争のない世界をつくりたい。珠子は、何になるのか。それでも、珠子(タマゴ)と羽村(ハム)の「サンドイッチクラブ」は、完成した途端に壊さなければならない砂像作りの工夫を重ねる。

 小学6年生たちが自分らしい自分を手に入れようとする、焼け付く夏の物語だ。(武蔵野大学名誉教授・宮川健郎)

■選考委員

 川端有子(日本女子大学教授)▽宮川健郎(武蔵野大学名誉教授)▽落合恵子(作家)▽さくまゆみこ(翻訳家)▽木下勇(大妻女子大学教授)▽張替惠子(東京子ども図書館理事長)▽三竿玲子(フジテレビジョン編成制作局制作センター制作業務部副部長)▽立川慎二(ニッポン放送コンテンツプランニング部副部長)▽酒井孝太郎(産経新聞東京本社編集局文化部長)

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