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【主張】変異株の拡大 「今までと同じ」は危うい

 日本における新型コロナウイルスの流行は、深刻な局面に入っている。従来株から感染力の強い英国型変異株に急速に置き換わりつつある。

 その速度は大都市部で顕著だ。1日当たりの新規感染者数が最も多い大阪府では、置き換わりが済んでしまった。東京都でも6割を占めるにいたった。

 日本ではこれまで、欧米諸国と比べ感染者や死亡者の数が少なかった。だが、変異株が跋扈する今後は一層の警戒態勢の強化が必要である。

 英国株の感染伝播(でんぱ)の力は、従来株の1.3倍から1.6倍とされる。大阪府では、重症者が増えるスピードが、第3波のときの3倍にもなっている。40代の死亡例も出ており、若くても重症化すると考えて警戒した方がよい。

 さらに、懸念されるのは、新たにインド由来の変異株が国内でも見つかったことだ。

 インドでは連日、30万人を超える感染者が出ている。爆発的な流行原因の一つに、このインド型の存在が指摘される。英国、豪州、シンガポール、米国、ドイツなどにも広がり、日本でも20を超える感染例が見つかった。

 英国型と違い、インド型の発見にはゲノム解析が必要で、実態把握が遅れている恐れもある。

 菅義偉政権の水際対策は十分ではない。英国型の早期侵入を許し、国内での拡大を招いた責任は重い。インド型で同じ失敗を繰り返しては大変なことになる。

 政府がインドを変異株流行国に指定すると発表したのは4月28日になってからだった。インドからの入国者への水際対策強化の適用は1日からだ。遅すぎる。国民を守る気があるのか。

 政府は24日に、東京都と大阪府にワクチン接種のための大規模センターを開く。対象は東京、埼玉、千葉、神奈川の4都県と、大阪、兵庫、京都の2府1県の高齢者らで、米モデルナ社のワクチンを使う予定だ。流行地域での接種を急ぎ、感染の連鎖を少しでも減らしたい。

 折しも大型連休に入った。変異株の感染力が強いということは、従来株なら感染を防いだ行動が、変異株には通用しない場合があるということだ。

 一人一人が今まで以上に念を入れて人との接触を減らし、変異株との戦いを勝ち抜きたい。

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