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【コロナ その時、】(26)東京ついに感染4桁 変異株が上陸 2020年12月19日~

 英国発の新型コロナウイルスの変異株が拡大し、クリスマスの昨年12月25日に国内でも感染者が初確認された。過去の感染拡大局面を超える第3波の勢いに医療現場は悲鳴を上げ、東京都内の新規感染者はついに大みそかに1000人を突破した。コロナ禍で揺れた1年は混乱と不安の中で暮れていった。

 「英国の変異株の患者が発生しました。本日、空港検疫で確認されました」

 昨年12月25日夜、厚生労働省。田村憲久厚労相はこの日3回目の記者会見に臨み、緊張した面持ちで切り出した。18、20両日に帰国した男性2人と、21日に帰国した男女3人のそれぞれから、英国由来の新型コロナウイルス変異株による感染が国内で初めて確認された。

 変異株はウイルスが増殖する際、遺伝情報の一部が変異したもので、とりわけ英国、南アフリカ、ブラジル由来の3種類は感染力が強いとされた。英国からの変異株流入を阻むため、世界中で水際対策が強化された。21日までに40を超す国・地域が英国からの航空便の乗り入れを停止。フランスは英国からの入国を一時禁じ、英仏海峡の往来も制限され、ドーバー港周辺では足止めされたトラックが列を作った。欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国とEUの自由貿易協定(FTA)交渉が難航していることも、不安を増幅させた。

 この頃、海外ではドイツやイスラエルなどでもワクチン接種が始まったが、変異株が冷や水を浴びせた格好だ。米大統領就任を確実にしていたバイデン氏は22日、国民向けの演説で「純然たる事実として、最悪の日はこれからで、過ぎ去ってはいない」と強調した。同氏は前日に米製薬大手ファイザーのワクチンを公開接種して安全性をアピールしたが、国内の累計感染者が2000万人に近づく世界最悪の感染状況は変わらなかった。

国会議員にも犠牲者

 政府の観光支援事業「Go To トラベル」が28日、全国で停止された。停止は翌1月11日までとされたが、年末年始を帰省や旅行で楽しもうと考えていた人々は、自粛ムードに突入。観光需要を見込んでいたホテルや旅館からは「キャンセルが止まらない」と悲鳴が上がった。28日から1月末まで外国人の新規入国が一時停止され、各空港の国際線も閑散としていた。

 コロナ禍による消費形態の変化を象徴する動きがあった。日本郵便と楽天は24日、事業提携に向けた基本合意を発表。郵便局を中心とした配送網と楽天のネット販売力で相乗効果を狙う戦略で、楽天の三木谷浩史会長兼社長は記者会見で、電子商取引がコロナ禍で「流通の2割まで普及するのではないか」と予測した。

 体調不良を訴えた立憲民主党参院議員の羽田雄一郎元国土交通相が27日、PCR検査のため病院へ向かう途中、車内で「俺、肺炎かな」とつぶやいた後に意識を失い、急逝した。国政を担う国会議員では初の「コロナ死」が永田町に衝撃を与えたが、やがて年が明けると与党議員の深夜の会食が次々発覚する。羽田氏の死は教訓とならなかったようだ。

年越しイベント自粛・縮小

 インフルエンザは例年12月下旬に流行入りするが、厚労省によると国内約5000カ所の定点医療機関から報告された14~20日の患者報告は24都府県で70人。昨年同期の約1500分の1という低水準で、新型コロナ感染を予防する手洗いやマスク着用の効果のほか、同じ呼吸器系に侵入するインフルが新型コロナに駆逐される「ウイルスの干渉」も指摘された。

 菅義偉(すが・よしひで)首相は28日、政府対策本部で「ウイルスに年末年始はない」と閣僚に感染防止の徹底を指示したが、新型コロナの感染者数は年の瀬に、まるで階段を駆け上がるように急増した。「ついに1000人超えた!」。東京都では大みそかの31日、1353人と初めて4桁の大台に乗り、SNS(会員制交流サイト)では悲鳴が飛び交った。全国の総数も4322人と4000人を突破した。東京・渋谷をはじめ各地の繁華街などで毎年恒例となっている年越しのカウントダウンイベントの自粛も相次いだ。

 新型コロナ感染の「震源地」となった中国湖北省武漢市で、当局が発症者を公表してからちょうど1年。コロナ禍で大揺れとなった2020年は、人々に言いようのない不安を抱かせながら幕を閉じた。

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