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【朝晴れエッセー】パピーウォーカー・4月28日

 わが家では私が30代のころからずっと犬を飼っていて、犬のいない生活は考えられなかった。

 最後の愛犬さくらが亡くなったのが63歳のとき。次を飼うのをとても迷った。体力、年齢? 最後まで面倒を見られるか不安だったからである。

 そのようなときに、子犬から約1年だけ育てる盲導犬のパピーウォーカーがあることを知った。8年前が1度目のパピーウォーカーの挑戦であった。パートナーを信頼し、人間大好きな盲導犬候補になれるよう育てるのである。

 先日、盲導犬協会から2回目のパピーウォーカーに内定したというお知らせの電話があり、即座に承諾してしまったが、不安が脳裏をよぎった。それは最大の協力者になるであろう妻に内緒で申し込んでいたからだ。

 来月、子犬がわが家に来るとのこと。ドキドキしながら早速正座をして「お願いがある」と切り出した。

 妻いわく「8年前にヴォルト君を手放すのが悲しくて寂しくて、帰りの車中で涙しながらもうパピーウォーカーは二度としない、と言ったことを忘れたの?」

 いやあ、そのことはよく覚えている。しかし体力がまだある今、もう一度チャレンジしてみたくなった。「今度こそ最後にするから、愛情いっぱいに育て上げ、盲導犬になれるように力を貸してください」

 妻は黙っていたが、目が笑っていたので胸をなで下ろした。2人でもうひと頑張り、愛情いっぱいに。

弥登章(みと・あきら) 73 北九州市小倉北区

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