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脱炭素と脱原発…韓国、二兎追う温暖化対策に国内懸念も

韓国の文在寅大統領(AP)
韓国の文在寅大統領(AP)

 【ソウル=桜井紀雄】温室効果ガス排出量で世界7位の韓国は、日本などと同様に2050年の排出量を実質ゼロにする目標を掲げ、石炭火力からの依存脱却を目指す。ただ、文在寅(ムン・ジェイン)政権は同時に「脱原発」も進めており、国内ではエネルギーの安定供給などへの懸念も出ている。

 文大統領は昨年7月、石炭火力から太陽光や洋上風力発電といった再生可能エネルギーへのシフトなどを柱にした「グリーンニューディール」政策を打ち出し、産業構造の転換で「雇用も創出する」と主張した。

 文氏が17年に就任して以降、韓国では温室効果ガスの主要発生源とされる石炭火力発電所の新規建設許可を出さず、老朽化した10基が廃止されてきた。

 ただ、文政権は「脱原発」路線も推進しており、発電単価が安い原発抜きに「脱炭素」を進めるのは現実的ではないとみる専門家や産業界関係者は少なくない。再生可能エネルギーの発電単価は高く、電力に占める石炭火力の比率低下に伴い、脱原発で減らしたはずの原発の比率が昨年は文政権発足前に近い29%に再上昇したのが実情だ。

 文氏は22~23日に開かれた米国主催の気候変動サミットで、海外での新たな石炭火力発電所建設への政府開発援助(ODA)を全面中止する方針も示した。石炭発電所建設に対するODAを打ち切る国が相次ぐ中、韓国は海外への積極投資を続け、国際社会で持たれてきた「悪玉」のイメージを払拭する狙いだ。

 だが、韓国では国内産業への影響を懸念する声が上がっており、「技術力が劣る中国企業が取って代わるだけ。排出量の増加でむしろ環境に悪影響を与える」との指摘も出ている。

 文氏は昨年10月、日本に続く形で50年の排出量を実質ゼロにする目標を宣言した。だが、30年までの中期目標については国連に昨年提出した17年比24・4%減にとどまる。気候変動サミットで文氏は目標を引き上げ、年内に提出すると表明したが、具体的数値には触れず、欧米や13年度比46%減を明言した日本に比べて出遅れ感は否めない。

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