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苦渋の緊急事態宣言 変異株で「蔓延防止」効果薄く、五輪開催へ背水

東京、大阪、兵庫への緊急事態宣言を精査し今週中に決定することを表明する菅義偉首相=21日午後、首相官邸(春名中撮影)
東京、大阪、兵庫への緊急事態宣言を精査し今週中に決定することを表明する菅義偉首相=21日午後、首相官邸(春名中撮影)

 菅義偉(すが・よしひで)首相が、3度目となる新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言の発令にかじを切る。「切り札」の緊急事態宣言はできるだけ温存し、ワクチンが国民に行き渡るまで、蔓延(まんえん)防止等重点措置で時間を稼ぐという基本戦略は、感染力が強い変異株を前に修正を余儀なくされ、苦渋の決断を強いられた。首相は夏の東京五輪・パラリンピックの開催に向け、「背水の陣」で対策に当たる。(坂井広志)

 前回の緊急事態宣言が全面的に解除されたのは3月22日。その数日前、田村憲久厚生労働相は官邸で首相にこう話しかけた。

 「嫌なことを言いますが、4月下旬にまた宣言を出すことになりますよ」

 首相が「え? なんで」と聞き返すと、「それだけ早く感染者は増えます」と答えた。果たして現実は、田村氏の予想通りとなった。

 感染から潜伏期間を経て報告が上がるまで約2週間かかる。今月5日に重点措置適用となった大阪府は、約2週間たっても増加傾向に歯止めがかかることはなかった。20日の関係閣僚会合ではある出席者が「大阪は夜の人流が減っているのに、新規感染者数が減らない」と漏らした。

 人の流れの減少ペースを上回る速度で、変異株が感染を拡大させている可能性がある。厚労省によると抽出検査の結果、4月5日からの1週間で変異株の陽性者の割合は、大阪、兵庫ともに79%だった。

 東京都は28%だが、3月22日の週は3%で、2週間で約9倍に増えた。東京には重点措置を今月12日に適用したばかりにもかかわらず、政府が東京を宣言の対象に加えたのは、従来株が変異株に急速に置き換わっていることへの危機感が背景にある。

 日本医師会の中川俊男会長は21日の記者会見で、感染者数について「東京もまもなく大阪と同じような指数関数的な増加が見込まれる」と述べた。

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