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重点措置でも病床危機 大阪知事「より強く」苦渋の決断

マスク姿の人たちが行きかう大阪・心斎橋の商店街=19日、大阪市中央区(安元雄太撮影)
マスク姿の人たちが行きかう大阪・心斎橋の商店街=19日、大阪市中央区(安元雄太撮影)
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 新型コロナウイルス対策の蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用されて2週間が経過した19日、大阪府の吉村洋文知事は重点措置について「変異株の感染拡大を抑える力が不十分」と述べ、緊急事態宣言を要請する方向にかじを切った。新規感染者が過去最多を更新し、医療体制も危機的状況に追い込まれ、苦渋の決断を下した。同じく医療が逼迫(ひっぱく)する兵庫県の井戸敏三知事は足並みをそろえることを示唆したが、京都府の西脇隆俊知事は状況を見極めたい考えを示した。

 「人の動きを止めるような、より強い内容の緊急事態宣言が必要だ」。吉村知事は19日、こう述べた。西村康稔(やすとし)経済再生担当相には18日に宣言要請の考えを伝えたことも明らかにした。

 吉村知事はこれまで19日からの週の感染状況を見極めるとしていたが、方針を一転。要因は主に2つある。

 1つは、18日に1200人超の新規感染者が確認されたこと。日曜は通常、感染者の報告数が少ない傾向にあるが、過去最多となり「減少の兆しが見えない」(府幹部)と危機感がさらに強まった。

 府幹部によると、新規感染者以上の「決め手」となったのが医療体制だ。

 府内の重症者は18日に最多の286人となり、確保している重症病床248床を上回っていた。重症病床に収容できない患者の治療を継続する負担もあり、軽症・中等症病床の運用率は81・3%に達した。翌19日午前の幹部会議。府の藤井睦子健康医療部長は改正感染症法16条の2に基づき、計約1100床の軽症・中等症病床を確保するよう医療機関に要請する必要があると説明した。

 ある府幹部は「16条の2は病院側の事情を考慮せず上積みを求める点で『最後の手段』だ。協力や理解を得ながら積み増す余裕がなくなり、危機的状況のピークに来ている」。別の幹部は「これ以上感染が拡大してから対応していたのでは本当に手遅れになる。取り得る措置はすべて取るということだ」と強調した。

 「大阪とは同一交流圏。大阪の決定を踏まえて検討しないといけない」。19日、大阪と同一歩調を取る可能性に言及したのは、兵庫県の井戸知事。21日に県の対策本部会議を開き、同県としても宣言発令の要請について判断する。

 同県の19日の感染者は293人で、月曜日の発表としては過去最多。井戸知事は、飲食店への休業要請などに発展した場合は「県単独では(さらなる)協力金支給への対応力はない」として、政府に財源措置を求めるとした。

 一方、要請に慎重な考えを示した京都府の西脇知事。「蔓延防止等重点措置の効果を見極めたい」としたが、一方で「人の流れを止める必要があるとの問題意識は全く同じで、(大阪や兵庫の)動向を念頭に置いて見極めたい」とも述べ、含みを持たせた。府は今週半ばにも対策本部会議を開催して判断する。

 こうした動きに、街の人からは「対応が遅い」との声も。大阪市北区の自営業の男性(46)は「感染が千人以上に拡大する前に緊急事態宣言を発令すべきだった。対応が遅いとしか思えない」とし、同市中央区の女性会社員(42)も「これまで以上に振り切った措置を取らないと感染拡大は抑えられない」と訴えた。

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