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医療現場「すでに手いっぱい」 新型コロナの変異株猛威 病床逼迫続く

変異株の検査を行う医療スタッフ=東京都品川区(昭和大学病院提供)
変異株の検査を行う医療スタッフ=東京都品川区(昭和大学病院提供)
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 新型コロナウイルスの変異株の感染急増で、患者を受け入れる病院が再び窮地に陥っている。変異株が主流となった関西圏では重症者の若年化や重症化までの短期化が明らかとなり、病床逼迫(ひっぱく)に歯止めがかからない。首都圏でも「第3波」を超える大きな波の脅威が迫りつつあり、現場の危機感は高まっている。

 19日に月曜では最多の293人の感染者が確認された兵庫県。18日時点の病床使用率は全入院患者80%、重症者67%に上る。「状況は災害レベルになってきている」。コロナ重症患者の“最後の砦(とりで)”として奔走する「兵庫医科大病院救命救急センター」(西宮市)の平田淳一センター長はこう力を込める。

 12床のコロナ病床は2月末の緊急事態宣言解除から3日ほどで満床状態となり、蔓延防止等重点措置の適用後も改善が図られていない。病院独自の検査では英国型変異株の感染が約9割に上り、伝播力の強さを実感しているという。

 従来株に比べ、重症者の若年化も顕著。従来株が主流だった「第3波」では65歳以下の入院患者は3割程度だったが、変異株が逆転した2月以降は4割を超え、50代が目立つ。若年患者は基礎疾患(持病)を持たない人もおり、「喫煙」や「肥満」のリスクが高い傾向も見えてきた。

 重症化のスピードも加速している。患者が集中治療室(ICU)に入り、人工呼吸器を取り付けるまでの日数はこれまで2週間ほどだったが、「変異株は状態の悪い人だと、1週間ほどで人工呼吸器の装着に至ってしまう」(平田氏)。

 大阪府の分析では変異株は重症化率も高く、40代以上で10・7%、60代以上で22・7%と、第3波の約2~2・6倍に上昇。「重症者対応が早まれば、現場の疲労感はさらに高まる」と平田氏は懸念する。

 神戸市立医療センター中央市民病院でも3月中旬以降、重症患者ら向けの臨時病棟36床が満床に近い。すでに別棟でコロナ用10床を追加して対応に当たっており、一般手術や入院は2~3割減を余儀なくされている。「人工呼吸器管理などができる看護師らは手いっぱい。これ以上の負担が生じれば、一般診療のさらなる抑制が必要になる」(担当者)

 3月下旬以降、英国型変異株は首都圏にも広がりつつある。東京都ではこれまで由来不明の変異株が目立ち、英国型は1週間当たり1桁の水準だったが、3月29日~4月4日に51人、同5~11日には74人が確認され、検査件数に占める割合が4割近くに上る。

 昭和大病院(品川区)では16日時点の入院患者15人(重症1人、中等症以下14人)のうち14人が変異株と判明し、由来不明が11人、英国型が3人だった。相良博典院長は「都内でも感染力の強い英国型がさらに増え、大阪の感染者をあっという間に抜き去る恐れがある」と危惧する。

 変異株かどうかの検査中は患者を個室で管理し、検査結果の判明後は二重感染を防ぐため、変異株の型ごとに病室を分けて対応に当たっている。この結果、同じコロナ患者でも病室ごとに防護服の着脱を行うなど医療スタッフの負担は増しているという。

 重症用は8床、中等症以下は18床~最大30床まで受け入れ可能としているが、全ての病床を稼働させるには一般手術の制限などを強いられる。入院患者は現在、中等症以下の20~30代が多いが、年齢層は上がり始めている。相良氏は「家庭内感染が広がっていけば中高年層に拡大し、第3波以上に中等症、重症の患者が増えてくる可能性がある」と危機感を募らせる。

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