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「実現性」梶山氏×「高い目標」小泉氏 ガス排出削減めぐり火花

梶山弘志経済産業相=首相官邸(春名中撮影)
梶山弘志経済産業相=首相官邸(春名中撮影)
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 菅義偉政権が近く示す予定の2030年度温室効果ガス排出量の国別削減目標(NDC)をめぐり、実現性を重視する梶山弘志経済産業相と、先進7カ国(G7)並みの削減幅を目指す小泉進次郎環境相のせめぎ合いが続いている。脱炭素化実現の主力である産業界の協力を得ながら気候変動問題で国際社会に貢献できる新たな目標を策定できるか。梶山、小泉両氏の手腕が問われている。

 「できるだけ早くとの首相の指示で調整している」

 小泉氏は9日の記者会見で、NDCの策定作業についてこう述べた。NDCは温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」加盟国に求められ、日本は15年以来、30年度に13年度比26%減の削減目標を据え置いてきた。

 ところが昨年10月、首相は50年までの歳出削減目標を従来の80%減(基準年なし)から「実質ゼロ」を目指すと表明。実現には、単純計算で30年度は約45%削減が必要となる。政府は6月のG7首脳会議(サミット)までに30年度の新たな削減目標を示す方針だった。だが、気候変動問題を重視する米国の意向を踏まえ、首相はバイデン米大統領主催の気候変動サミット(4月22日)までに表明を前倒しする方向だ。

 その過程で小泉、梶山両氏のスタンスの違いが鮮明になっている。大胆な引き上げを求めるのが小泉氏だ。バイデン政権は新たに50%程度の削減幅をサミット前に表明する見込みで、関係者によれば小泉氏の主張は米国と同程度という。小泉氏は欧米に見劣りしない削減幅で「環境後進国」との汚名返上を狙う。

 一方、エネルギー政策を担う梶山氏は洋上風力発電の導入など実現できる政策を精査した上で削減目標を示したい考え。30年度まで10年を切る中、性急な脱炭素化は自動車や鉄鋼などの産業の国外流出を招きかねないとの懸念が強く、大幅な引き上げに慎重だ。

 経産省幹部は「産業界はできることは全部やるつもりだが、無理をして高い目標を掲げるなら小泉氏は説明責任を果たすべきだ」と話す。政府関係者によると、最近は「仲裁」する形で加藤勝信官房長官が調整に乗り出しているという。

 首相が新たに示す削減目標は45%前後で最終調整中だ。小泉、梶山両氏は9日の閣議後、2人で話し込みながら首相官邸を後にした。周囲に「2人で腹を割り誠実に話せている」と語る小泉氏の調整力が注目されている。(奥原慎平)

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