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病床逼迫「一刻争う」 大阪府、2度目の医療非常事態宣言

C大阪モデル点灯と解除の基準
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 大阪府が7日、新型コロナウイルスの感染急拡大に伴い、昨年12月に続く2度目の「医療非常事態宣言」を発令した背景には、このままでは確保病床を超える数の重症者が発生し「医療崩壊」に至るとの危機感がある。3月1日の緊急事態宣言の解除から1カ月余り。変異株の影響などで昨秋~2月末の「第3波」を上回る急速な感染拡大に直面し、短期間で対応の見直しを余儀なくされた。

 府によると、直近7日間の新規感染者数は3月23日は961人だったが、2週間後の今月6日に4146人となり、約4・3倍に増えた。昨年6月以降の第2波と同10月以降の第3波の増加速度を上回っている。

 重症病床の使用率をみると、緊急事態宣言解除直後の3月1日は39・4%。同18日に24・1%まで下がった後、今月7日には70・5%にまで「垂直的」に上昇した。昨年10月19日から徐々に上がり、初の「医療非常事態宣言」を出した12月3日に66・0%に達した第3波とは異なる。

 府の分析によると、第3波では重症者が約80人増えるまで35日間かかったが、3月以降の「第4波」では15日間という短期間に。府幹部は「経験のないスピードで病床が埋まっている。病床の確保は一刻を争う」と危機感をあらわにする。

 こうした状況を踏まえ、府は7日までに重症者を受け入れている24病院に対し、新たに約70床を確保するよう緊急要請を発出。軽症・中等症患者を診療している24病院には、重症化した際に転院させず、約30床を上限に入院を継続するよう、5日付で求めている。

 ただ現状は、感染拡大のスピードに確保が追い付いていかない状況だ。府幹部は対策本部会議で「比較的短い期間で(重症者は)確保病床(の224床)を上回る」との見方を示した。

 背景には、変異株の影響がある。府の簡易検査では確定前の変異株陽性者は7日時点で計1100人。3日までの7日間に陽性が判明したのは前週比32・5%増の224人に上った。

 会議では変異株感染者は重症化しやすく、重症化率が高い傾向も示された。既存株と比べると、発症から重症化までの期間は平均6日と2日早く、重症化率は4・7%で2ポイント程度高い。

 病床拡充が進まない別の要因として、看護師確保の問題もある。7日の対策本部会議では「異動や新規採用など、慣れない職員も多い。急に重症病床を増やすのは困難」との専門家の意見が示された。

 重症者向け臨時施設「大阪コロナ重症センター」も全30床の稼働に必要な看護師約120人のうち、現在配置可能なのは70人にとどまる。府幹部は「今後2週間で、全30床を運用できるまでの人員を確保したい」と述べた。

■「危機意識共有難しい」吉村知事

 府は7日、「大阪モデル」の赤信号を点灯させ、「医療非常事態宣言」を発令した。新型コロナウイルスの感染状況を可視化し、府民との危機意識共有を目的に全国に先駆けて策定した独自策だが、赤信号と同宣言の発令はいずれも2度目。府民に行動変容を促すメッセージが伝わるか、懸念もある。

 「感染が拡大すれば自粛をお願いし、収まれば社会経済を動かしていくことを繰り返してきた。危機意識の共有が難しくなっている部分はあると思う」。7日の記者会見で、吉村洋文知事はこう指摘した。

 大阪モデルは昨年5月に策定。感染経路不明者数と陽性率、重症病床使用率の3指標をもとに、赤、黄、緑の信号を点灯させ、府民に自粛要請の解除基準を明示する「出口戦略」の位置づけだ。

 だが、同月下旬には「実態にそぐわない」(吉村氏)として指標を一部変更。7月には「7日間の新規感染者数」を導入するなどし、赤信号点灯中の12月には、黄信号への引き下げ目安も修正した。刻々と状況が変わる中で感染拡大の兆候を正確に捉え、行動変容を促す適切なタイミングを見極めるためだったが、「分かりやすさ」が失われたことは否めない。

 吉村氏は7日「感染速度が速く、重症化率も高い変異株も出ており、今までと同じやり方はリスクコミュニケーションとして難しい」と言及。大阪モデルの変更も示唆した。

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