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一気に満床、医療逼迫ペース「第3波の倍」 医療現場は今

新型コロナウイルスに感染した患者の治療にあたる職員(近畿大学病院提供)
新型コロナウイルスに感染した患者の治療にあたる職員(近畿大学病院提供)

 新型コロナウイルスの感染拡大で医療体制が逼迫(ひっぱく)する大阪府が7日、「医療非常事態宣言」を発令した。重症者を受け入れる府内の医療機関では、感染の急激な再拡大で満床状態が続いており、逼迫の度合いは「『(昨秋~今年2月末の)第3波』の倍のペース」(関係者)。厳しい退院基準が設けられた変異株患者の増加が、医療現場に及ぼす影響も軽視できないという。(中井芳野、小川原咲)

 「府から病床拡大の要請があるが、人手不足も深刻。これ以上の対応は厳しいのでは」

 大阪大医学部付属病院(同府吹田市)の集中治療部の内山昭則副部長(57)はため息まじりにこう話す。

 同病院は、集中治療室(ICU)内でコロナの重症病床10床を運用。今年2月上旬~3月上旬までは、受け入れはほとんどない状態だったが、同23日以降に一転。2週間足らずで満床となり、現在も空きはない。「第3波」と比較すると、逼迫に至ったペースは約2倍といい、「感染拡大のスピードが思った以上に速い」(内山副部長)。

 重症病床には今、複数の変異株感染者がいる。内山副部長は、変異株患者の退院基準が従来型よりも厳しいことを念頭に、「転院する際の調整がスムーズにいかなくなるなど、病院側の新たな負担になる可能性がある」と指摘する。

 近畿大病院(同府大阪狭山市)の重症病床(10床)も、今月初めから満床状態だ。東田有智(とうだ・ゆうぢ)院長(67)は「このまま感染者が減らなければ医療崩壊が起こり、助かる命も助からなくなってしまう」と危機感をにじませる。

 コロナ病床では患者2人につき看護師1人を配置しているが、人工呼吸器などの管理には複数の医師や看護師が必要だ。感染再拡大を受け、大阪府からは以前増床した分(計12床)よりさらに増やすことを求められているが、「人員確保などの調整が必要で、そう簡単には増やせない」(東田院長)。

 変異株は感染力の高さが懸念されている。東田院長は「若い人の(変異株への)感染が増えているようだ」と指摘。重症患者は現時点では、第3波と同様に高齢者が多く、「人工呼吸器につないでから外せるまでの期間が長期化する傾向がある」と述べた。

 大阪府ではこの日、自粛要請の独自基準「大阪モデル」に基づく警戒度が、非常事態を示す「赤信号」になった。東田院長は「行政は宣言や措置という言葉だけでなく、どうすれば感染者を減らせるか、減らなければ次の一手はどうするかを示してほしい」と求めた。

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