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【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)(18)オフシアターの生々しさ

 劇場とは異なり、舞台というかステージの四方を客席が取り囲んだ形にしました。舞台の周囲360度すべてに観客の目があるわけですから、一瞬たりとも気が抜けないんです。今回、劇作家で俳優の赤堀雅秋さんが脚本、演出から出演までしてくださったのですが、観客が至近距離で何か凄惨(せいさん)な事件を目撃してしまったような、そんな生々しい感覚を覚えるような芝居になったのではないかと思います。

 観客の皆さんの立場からいうと、倉庫やライブハウスという劇場ではない場所なのでトイレが少ないとか、椅子の座り心地が悪いとか、いろいろ不便なところもありましたね。出演する側も大変で、歌舞伎の劇場には白塗りとか化粧を落とすお風呂があるんですけれど、倉庫などにはそういった設備はないですからね。白塗りのまま近くのホテルに行って、代わりばんこにシャワーを浴びて落としていました。

 最近はコロナ禍で休演したこともありましたが、基本的に歌舞伎座に行けば一年中、いつでも歌舞伎が見られます。ちょっと洋風な言い方をすれば、歌舞伎座で見る「グランド歌舞伎」に対し、倉庫で見る「オフシアター歌舞伎」と、そういうものがあってもいいのではないでしょうか。コロナ禍が落ち着いたら、またぜひやりたいですね。海外の方やふだん歌舞伎を見ない若者たちにも、もっと気軽に「オフシアター歌舞伎」を楽しんでもらえたらと思います。(聞き手 水沼啓子)

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