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【主張】ワクチンはまだか 「救えるはずの命」を守れ

 いつになったら、新型コロナウイルスのワクチンを接種できるのか。

 欧米やイスラエルなどワクチン接種が進んだ国々では感染抑止の効果が顕著になっているというのに、日本はまだ、最優先の医療従事者にもワクチンがいきわたっていない。世界的なワクチン調達において、日本は大きな後れをとったと言わざるを得ない。ワクチン接種が遅れた分だけ感染者と死者は増えていく。

 「救えるはずの命」が日本では救えていない現実を、政府は重く受け止めなければならない。

 厚生労働省によると、国内では2月17日から今月5日までに、119万6884回の接種が行われた。このうち、2回目の接種は約24万回である。接種率は全国民の1%未満で、優先接種対象の医療従事者約480万人のうち、380万人以上が一度も接種を受けていない。

 12日からは高齢者への接種が始まり、医療従事者と高齢者への接種が同時進行する。優先順位の意味を考えれば、医療従事者への接種が終わってから、高齢者の接種を開始すべきだ。

 ワクチン調達の遅れを小さく見せかけるために同時進行に踏み切った、とみなされても仕方あるまい。本末転倒も甚だしい。政府と厚労省の「その場しのぎ的な対応」が、コロナ対策に対する不信の原因になっていると認識すべきである。

 3月末には小林史明ワクチン担当大臣補佐官が、民放番組に出演し、「接種会場ごとに打つワクチンが公表されるので、会場を選べば打つワクチンを選ぶことができる」などと述べたが、この発言を河野太郎行政改革担当相が撤回した。ワクチン行政の中枢で基本的な認識が共有されていないのでは、無用な混乱を招くだけだ。

 欧米に比べれば、日本は感染者、死者数は少ない。アジア、アフリカ、南米の多くの国のように中国やロシアをワクチン調達先の選択肢にはしない。

 ワクチン調達が遅れた客観的な理由はある。しかし、日本が置かれた状況を踏まえて国民の命を守るのが政府の責務だ。

 短期的にワクチン確保に全力を挙げながら、国産ワクチンの開発や感染症医療の体制整備などコロナ禍で露呈した中長期的課題にも、政府は本腰を入れて取り組む必要がある。

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