PR

ライフ ライフ

昭和の家族像通じて現代描く 橋田壽賀子さんのドラマ人生

脚本家の橋田壽賀子さん=2017年9月、東京都千代田区(宮崎瑞穂撮影)
脚本家の橋田壽賀子さん=2017年9月、東京都千代田区(宮崎瑞穂撮影)

 「おしん」「渡る世間は鬼ばかり」など高視聴率を記録したテレビドラマの脚本を手掛けた橋田壽賀子さんが亡くなった。95歳だった。橋田さんが掲げたのは「社会と向き合うドラマ」。昭和時代の家族像や人間関係のありようをベースにしながら、家庭や女性が抱える問題や、世知辛い現代社会との相克をドラマの形で世に問い続けた。

 昭和24年、松竹に入社。同社初の女性脚本部員となるが、映画の斜陽化および男性社会の中で不遇時代を過ごし、34年に退社。脚本家デビューは39年のTBS日曜劇場「袋を渡せば」だった。後の親友、石井ふく子プロデューサー(94)と出会い、同年の「愛と死をみつめて」の大ヒットで、一躍、人気脚本家となった。

 以降、石井さんとのコンビで「女たちの忠臣蔵」や「渡る世間は鬼ばかり」などを手がける。「渡る世間」は平成23年まで20年にわたり放送。令和元年9月にもスペシャルドラマが放送された。

 橋田さんのドラマは、引きこもりやインターネットといった時代の最新事情を盛り込みながら、昭和の家族像の中で、嫁としゅうとめとの確執や子育て、離婚など、現代社会にも共通する身近な問題が本音で描かれた。

 NHKでも、連続テレビ小説「おしん」や「となりの芝生」、大河ドラマ「おんな太閤記」「いのち」などの高視聴率ドラマを次々手がけた。中でも明治・大正・昭和の激動の時代をたくましく生きた女性を描いた「おしん」は平均52・6%、最高62・9%の歴代最高視聴率を記録。海外でも放送され大反響を呼んだ。

 戦争を体験した世代として、「高度経済成長期に物質的な豊かさを追求し、日本が失ったものへの反省も込めた」と本紙の取材に語っていた。

 平成4年には元TBS社員だった夫、岩崎嘉一さんの遺産をもとに橋田文化財団を設立して理事長に就任。「テレビで育てられたのだから、テレビのためにお返しをしたい」と、放送文化に貢献した番組や個人を「橋田賞」で顕彰した。

 豪華客船で世界一周をするなど大の旅行好きでも知られた。平成27年の取材に「若い時から一番にはなれない。でも、二流の立場を楽しんでいる。脚本家になって良かったのは(作中の)いろんな人生を生きられたこと」と語っていた橋田さんは、一流のドラマを残して世を去った。

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ