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大阪、再び病床逼迫 地元離れ最前線志願した看護師「まだまだ警戒を」

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 新型コロナウイルス特別措置法に基づく蔓延(まんえん)防止等重点措置が5日から適用される大阪。いったんは落ち着いたかとみられた新規感染者数はいま、「第3波」を上回る速度で急拡大しており、医療関係者の中でも緊張感が高まっている。3月下旬まで大阪コロナ重症センターで勤務した中国地方の看護師の女性(44)は、「世間では一時、『アフターコロナ』のような雰囲気すらあったけれど、まだまだ警戒が必要」と語った。(地主明世)

 大阪府内の新規感染者数は3月中旬から急増。確保している重症患者用の病床(224床)に対する使用率は今月4日時点で60・3%だが、すぐに受け入れができる病床(162床)に限った運用率でみると、83・3%と状況はさらに厳しい。府は3月31日、病院側に計画上最大の病床確保を求める通知を出した。

 府が昨年末に立ち上げた大阪コロナ重症センターは、今月4日時点で運用できる13床中11床が埋まっている。大東市の民間病院が敷地内に臨時施設をつくる計画で、今秋にも20床程度増床できる予定だ。

 同センターも当初は看護師が不足し、府看護協会などを通じて看護師を募集。昨年3月に勤務先のクリニックを退職していた女性は「誰かにコロナ対応を任せるのではなく、自分で動こう」とセンター勤務を志願し、夫に子供3人を任せて単身、大阪へ。新型コロナ治療の最前線に立った。

 大阪府は緊急事態宣言が解除された3月1日以降も、大阪市内の飲食店に対する営業時間短縮要請などを継続した。だが、宣言解除後は繁華街の人波も戻り、若年層から感染が拡大。府は31日、措置要請に踏み切った。

 意識不明で重篤な高齢患者もいるセンターで勤務していた女性は、宣言解除に伴い「緩んだ」世間の雰囲気に、「違和感があった」と話す。外出自粛や時短要請という社会・経済活動の制限で感染抑制を図る一方、経済への打撃を懸念して制限と緩和を繰り返す政府の対応に、「日本は案外、もろかった。医療と経済のバランスを取る仕組みを考えなければならないと思う」と話した。

 センターでは3月ごろから、看護師らによる勉強会が頻繁に開かれた。技術や経験値が異なる看護師同士が、医療機器の使い方や新型コロナに関する知識などを共有し合うことが、第4波への備えになるからだ。「(指導している)先生方には、これから来るコロナの大きな津波が見えているのだと思います」

 ただ、「こんな日々を1年以上続けて、医療従事者でもない方々が“限界”だということもわかる」。3カ月間、一人ホテル暮らしで大阪勤務を終えて戻った地元は1日のPCR検査数が10件に満たない日もあり、コロナに対する都市部との温度差は大きいと感じる。「大阪での日々は夢だったのか、と思うことさえある」

 今月から医療関係の新しい職場で働き始め、災害支援などに取り組む非政府組織(NGO)の医療チームにも登録。「コロナに向き合う現場で積んだ貴重な経験を、社会に生かしていきたい」と意気込む。

 ただ、3カ月間の激務の背景には家族の支えや、子供たちを見守ってくれた近隣住民らのサポートもあった。「人助けと思っていたが、実は助けられ続けていた3カ月だった。これからが私にとっての本当の人助けだと思って頑張ります」

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