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【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)(8)勘九郎兄さんの情熱と愛情

 勘九郎の兄さんからはもう怒られて、怒られて。プレッシャーに弱いから、体がどんどんやせ細りました。ちょうど映画「ピンポン」の撮影後だったので、頭がスキンヘッドみたいな感じでやせ細っていっちゃったから、勘九郎の兄さんに「なんだかお前さん、ガンジーみたいになっちゃったね」と言われました。舞台で女形の役をやっていたとき、よほど怖い形相だったのか、子役と手をつなごうとしたら号泣されるしね。

 芝居が終わると、勘九郎の兄さんはみんなでご飯に行ったり、飲みに行ったりするんです。場所が浅草だったから、とくに毎日のように出かけていましたね。「みんな、ご飯に行こう」と誘っていました。ただ僕の方を指さして「君は出来が悪いから誘いません!」とか言われて、もう落ち込む以外にないわけですよ。

 《15年1月、若手歌舞伎俳優の登竜門といわれる新春浅草歌舞伎で「義経千本桜」の主役を勤めた》

 このときも勘九郎の兄さんに教えてもらいました。試演会から1年ちょっと間があいていたから、うまくやろうという気持ちに当然なるわけです。でも、それをすぐに見破って「そうじゃなくて、もっと体当たりで命がけでやってちょうだい」と。兄さんに言われたことは、今でも全部覚えています。(聞き手 水沼啓子)

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