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【日本語メモ】気になる数字のイメージ

校閲部
校閲部

 2月15日の日経平均株価は大幅反発し、約30年半ぶりに3万円台を回復しました。

 翌日の新聞各紙面では「日経平均 3万円台回復」などという見出しを使って大きく報じていました。

 この「回復」という言葉は、悪い状態だったのが元の状態に戻ることを意味し、「健康が回復する」「ダイヤの乱れが回復する」などと良い意味で使われることが多いです。株価が上昇すると上場企業や投資家にとっては資産価値が増えるため、一般的には歓迎される出来事であることから使っているようです。

 逆に株価が下がった場合に「〇万円割れ」という表現を用いることがあります。これは悪い出来事を想像でき、単に「上がった、下がった」というよりも状況を判断しやすいです。

 これらは昔からニュースでよく使われている言葉ですが、一言でイメージがわくので非常にうまい表現だなと目にするたびに感心します。

 一方で、外国為替相場が円高になったときに「1ドル=100円を突破」といったりします。円高の状況は、国内の輸出企業にとって業績への悪影響があるのですが、自国通貨が高く評価されていることになるため、目標を超えるなどの良いイメージとして「突破」を使うことが多いようです。円高は輸入企業にとっても良いことですが、やはり輸出企業には相反する影響を与えることになるので、記事の内容がどちらが主体になっているかを注意しながら読むことが必要だと感じます。

 最近気になった記事の例では、「原油高が追い風」というのがありました。原油相場が上がると産油国や石油関連企業にとっては収益が上がるため良いことですが、消費者にとってはガソリンなどの物価が上がって家計の負担が大きくなるので、「追い風」とは反対の「向かい風(逆風)」となります。

 ほかにも「人口の増加を歓迎」という表記を見かけましたが、少子化が問題となる中で人口が増えるのは歓迎すべきことではあるものの、大都市圏では過密化が問題になっているなど地域の事情によって受け止め方が違ってくるため、これも主体が何であるのかを注意して見なければなりません。

 数字の変化を一言で読者に伝えられる表現があるのは素晴らしいことです。その一方で相手には良い・悪いのイメージを一瞬で印象付けてしまいます。物事には常に表裏の関係があることを念頭に、社会情勢の変化を捉えつつ一方的な立場からの見方にならないようなバランス感覚を身に付けたいものです。

(二)

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