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【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)(7)崖っぷち「ドラゴン」に救われ

 出演が決まったのに、卓球なんてやったことがなかったから、あまりにも下手でね。撮影に入る2カ月前ぐらいから練習場に通って毎日3、4時間、コーチに猛特訓をしてもらいました。見た目もチャンピオンらしい肉体にするため、毎日ジムにも通ってウエートトレーニングをして、1キロ以上泳いでいました。あのときは10キロぐらいぜい肉を落としました。

 当時、新橋演舞場で新派の舞台にも出ていたので、芝居が終わってから卓球の練習だから、ぐったりしているのになかなか眠れないんですよ。深夜、また1人で卓球のビデオを見たりしていましたね。

 それから、監督に「ドラゴンには怖さの中に品格も必要」と言われていたので、自分なりのドラゴン像を考えました。スポーツ選手の歩き方とか動きとかを研究しようと思って、いろいろなスポーツのビデオも見ましたよ。一流のアスリートって、歩き方にも重量感があるんですよね。体を上下させながらピョコタン、ピョコタンなんて身軽に歩かない。

 これは腰に刀を差した武士の歩き方だなと思って、ドラゴンを演じたとき、武士道みたいなものが根底にあったんです。ラケットという刀を持ち、生きるか死ぬかの思いで戦っている精神状態とかも表現したかった。歌舞伎の舞台で演じてきた武士のたたずまいとかが、映画の中で生かされたかもしれない。(聞き手 水沼啓子)

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