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【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)(6)憧れの叔父「心で演じろ」

 以前、錦じぃが柳生宗矩(やぎゅう・むねのり)役を主演した映画「柳生一族の陰謀」(昭和53年)を見たとき、「夢じゃ、夢でござる」という宗矩のせりふがやたら歌舞伎っぽかったので、聞いてみたんです。そしたら、「あの宗矩の絶叫は、初代吉右衛門の伯父の影響を受けているかもしれない。幼いときにたびたび聞いていた『熊谷陣屋(くまがいじんや)』の花道での直実(なおざね)の名ぜりふが、今も耳から離れない」と話していました。そして「すばらしい舞台を、自分だったらこう演じるという思いを持って、できるだけたくさん見ておいたほうがいい」と助言してくれました。

 あと、こんなこともありました。叔父が萬屋一門の芝居を見に来たとき、悪人役をやっていた人に「あんなに顔で芝居をしちゃだめだよ」と、ダメ出しをしているのが聞こえてきて、肝に銘じたこともありました。悪い人間を顔の表情だけで表そうとしても、ちっとも悪いやつに見えない。もっと内側から、心で演じないといけないんだとね。

 《萬屋錦之介は映画「宮本武蔵」やテレビ時代劇「子連れ狼(おおかみ)」などに出演し、絶大な人気を誇る》

 「子連れ狼」はずっと見ていましたね。主人公の拝一刀(おがみ・いっとう)みたいな役を自分もできたらいいなあ、と叔父に憧れていました。当時、叔父が京都の東映撮影所に来ることが知られると、大勢の人が撮影所の前に集まってしまうほどすごい人気でした。残念ながら映像で叔父と一緒に出る機会はなかったです。(聞き手 水沼啓子)

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