PR

ライフ ライフ

【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)(4)子供心に抱いた疎外感

 ある日、祖母の家で僕とあまり年の違わない親戚の子と一緒にガレージの車で運転手さんごっこをしていたら、大人たちから「危ない」って僕だけこっぴどく怒られて、家を飛び出したことがあるんですよ。小学校の低学年だったと思います。

 そのとき、祖母の家のお手伝いさんのサンダルを履いて、自分の家の方角に向かって泣きながら歩いていたら、交番のおまわりさんに確保された。みんな、親戚の子だけをかばって、僕だけを悪者にするから、疎外感というか、すごく寂しい気持ちになったんです。あのときの独特の気分は今もよく覚えていますよ。大人になってからも、そういう気分になることがたまにありました。そりゃ、そうですよね。無名時代が長かったから。

 父親が有名な歌舞伎役者さんの息子と一緒に京都のお店とかに行くじゃないですか。どこに行っても、彼はちやほやされるけど、僕は「その辺に座ってて」なんて言われ、いつもひとりぼっち。「なんだよ、この差は」みたいなのはあったかな。でも、それで卑屈になることはなかった。たぶん両親が愛情をたっぷり注いで育ててくれたからかな。自分が親になってみるとそれがよくわかりますよね。(聞き手 水沼啓子)

次のニュース

あなたへのおすすめ

PR

PR

PR

PR

ランキング

ブランドコンテンツ