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【話の肖像画】歌舞伎俳優・中村獅童(48)(3)付き人は「名物おっかさん」

 《父親が歌舞伎役者でないため苦労することも多かった》

 中学1年生ごろの反抗期に、「あーあ、おやじが芝居をやってくれていたら」って、おやじに愚痴を言ったら、ぶっ飛ばされました。子役のときにも、すごく怒られたことがあった。歌舞伎座から家に戻って「きょうも一日疲れた」って言ったら、すごくたたかれてね。部屋に飾ってある僕の舞台写真とか全部片づけられて、「歌舞伎なんて、やめちまえ」って言われましたよ。

 「俺のおやじ(三代目中村時蔵)は舞台から帰ってきて、『疲れた』なんて言ったことは一度もない。好きでやっているんだろう。ガキのくせに疲れたなんて言うな」って。「世の中では御曹司とか言われるけれど、おまえ、お坊ちゃんだと思うなよ。おやじが歌舞伎役者じゃないんだから、なんの手助けもできないし、やりたきゃやればいいけれど、『疲れた』なんて言うんだったらやめろ」とすごいけんまくでした。子供のときにおやじからたたき込まれたから、今でも「疲れた」って言わないようにしていますよ。

 この年になってみると、あのときのおやじの気持ちが分かる気がする。おふくろは歌舞伎の舞台に出ている息子にかかりっきりになっているので、ちょっと焼きもちを焼いたのかなって。男って、みんなそういうところがあるんじゃないのかな。(聞き手 水沼啓子)

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