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【ビジネスパーソンの必読書】情報工場「SERENDIP」編集部

 例年より早く桜が開花してきている。感染予防で大人数の花見は避けるべきだが、道すがらに咲き誇る桜を愛でる心の余裕は持っておきたい。

■日本社会を捉える

□『「鬼滅の刃」に学ぶ』一条真也著(現代書林・900円+税)

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 令和2年に一大ブームを巻き起こした漫画・アニメ作品「鬼滅(きめつ)の刃(やいば)」。ヒットの理由を、日本の伝統的な価値観とコロナ禍の世相に重ね合わせて読み解く。

 「鬼滅の刃」のストーリーはいわば「鬼退治」。人を食う異形の鬼を「鬼殺隊」と呼ばれる討伐部隊が追っていく。主人公の少年は鬼を倒すと、格別の哀れみを込めて鬼を弔う。亡くなれば敵味方なく慈しむ気持ちは、仏教でいう「怨親(おんしん)平等」であり、日本人が昔から育んできた精神だ。

 昨年は多くの祭りが中止になった。祭礼には本来、祖霊を弔う役割があると著者は指摘。死者とのつながりを求める気持ちが行き場を失ったために、日本の伝統的死生観を有する「鬼滅の刃」への熱狂が高まったのではないか、ブームは民衆の無意識が爆発した「ええじゃないか」ではないかと見立てる。

 鬼滅ブームの解説本は意外と少ない。ファン以外の人も、新しい角度から日本社会を捉えられるだろう。

■実験で謎を解く

□『物理学者のすごい思考法』橋本幸士著(インターナショナル新書・840円+税)

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 超ひも理論などを専門とする理論物理学者が「物理学的思考法」で身近な問題などをユーモアを交えて考察する科学エッセー。

 著者は通勤時に、たくさんの人が吸い込まれていく駅前ビルを見て「超伝導ビル」と呼ぶ。超伝導物質は、普通の物質とは異なり抵抗がなく、電流がスルスルと流れる。人の流れを電流に見立てて、ビルに超伝導のように人が流れる「異常」に注目したのだ。

 その一方で駅から職場までの「最短」徒歩経路を、物理学を使って見つけようとする。使ったのは、量子力学の「経路積分」。その方法論のもと、「実験」としてありえないような違う経路を歩いてみる。すると予想もつかなかった最短経路が見つかった。

 超伝導ビルの謎も実験の過程で解けた。ビルの中を通り抜けると最短の近道になるのだ。

 目の前の事象を一見関係のない自分の知識に半ば強引にでも結びつけると、ユニークな発想が生まれやすいのではないか。

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